コスタリカ戦で大活躍した日本代表コスタリカ戦で大活躍を見せた(左から)南野拓実、中島翔哉、堂安律の3選手と、DF植田直通 写真:JFA/アフロ

森保一新監督(50)に率いられた新生日本代表が、4日遅れの初陣で最高のスタートを切った。パナソニックスタジアム吹田にコスタリカ代表を迎えた11日のキリンチャレンジカップ2018で、3‐0の快勝劇を演じる原動力になったのは、前線で先発として抜擢された20歳の堂安律(FCフローニンゲン/オランダ)、23歳の南野拓実(レッドブル・ザルツブルク/オーストリア)、そして24歳の中島翔哉(ポルティモネンセSC/ポルトガル)。世代交代の旗手となる「若手三銃士」の素顔と、代表経験が浅い3人を輝かせた森保監督の采配を追った。(ノンフィクションライター 藤江直人)

森保ジャパンに初勝利をもたらした
「若手三銃士」の躍動

 陳腐な表現になるが、日本代表のボールになるだけで、これほど胸の鼓動が高鳴ってくる試合はいつ以来だろうか。まだ記憶に新しいワールドカップ・ロシア大会は、いい意味で開幕前の予想を裏切る西野ジャパンの快進撃に導かれた興奮と高揚感、そして一体感にも後押しされていた。

 翻ってパナソニックスタジアム吹田で11日にベールを脱いだ、森保一新監督に率いられる新生日本代表はボールを持ったらとにかく仕掛ける。ベクトルは常に前へ。それぞれが放つ自由な発想がいつしかチーム全体のそれに昇華していく過程に、ワクワクした思いを抱かずにはいられなかった。

 コスタリカ代表を3‐0で一蹴した90分間を“簡潔な言葉”に凝縮させていたのが、時間の経過とともにボールを持つだけで歓声を浴びるようになった、新生日本代表の「10番」を背負うMF中島翔哉(ポルティモネンセSC/ポルトガル)だった。それは「楽しかった」――。

「試合がすごく楽しかった。チームメイトもすごく助けてくれて、本当に楽しかった。10番というのはサッカーでは特別な番号だと思いますし、それも含めてすごく楽しかった」

 ただでさえ限られている活動時間が、6日未明に発生した最大震度7の北海道胆振東部地震で大きな影響を受けた。練習が中止になった6日は宿泊していた札幌市内のホテル近くで軽く体を動かし、7日に札幌ドームで予定されていたチリ代表とのキリンチャレンジカップ2018は中止となった。