メルカリは今期、金融子会社メルペイで決済事業に参入する。フリマアプリでためたポイントをコンビニエンスストアや飲食店で利用できるようにして、一大メルカリ経済圏を築くのだ。現在発売中の『週刊ダイヤモンド』9月22日号第一特集「新・価格の支配者 メルカリ」では、その全容をメルペイ青柳直樹社長とメルカリ山田進太郎会長の発言をベースにレポートしている。今回は特別に、その記事をオンラインで特別に公開する。

就任1週間でまとめた
「よげんの書」とは

 浦沢直樹による漫画『20世紀少年』で主人公たちが考えた地球征服の方法を書いた「よげんの書」。これと同じタイトルの文書がメルカリの金融子会社メルペイの社内にある。

 メルカリ会長の山田進太郎から猛烈なアタックを受けて2017年11月にメルペイ社長になった元グリー常務の青柳直樹は、就任時にメルペイ立ち上げメンバー4人と、5年先にどんな会社にするかをとことん議論した。それを基に就任1週間で人員や投資を含めた長期計画書をまとめ上げ、前出の漫画にインスパイアされて「よげんの書」としたのだ。

 「僕と進太郎さんの間では、未来がはっきり見えている」と青柳。彼らが描く未来図では、フリマアプリで築いたCtoC(個人間取引)の強みをコアに、メルペイで決済事業に参入し、一大エコシステム(経済圏)を形成している。

 青柳はメルカリ経済圏構想を語るときに「OMO」というワードを頻用する。「これからOMOがいろいろなところでどんどん実現する」とし、コンビニエンスストアやレストランなど外部の決済事業に進出する方向性を示唆するのだ。