週刊ダイヤモンド2018年10月6日号第1特集は「新幹線vs飛行機 十番勝負」。ライフスタイルの変化や技術革新により、時間や運賃が中心だった「乗り物選びの基準」は多様化した。それを踏まえて、週刊ダイヤモンド編集部では10の切り口で“移動の覇者”の決着をつけた。長らく戦いは「新幹線vsJAL/ANA」の構図だった。そこに近年LCC(ローコストキャリア)が参入。戦いの構図は複雑化している。今回、LCCを含めた各陣営の戦いをレポートした記事を、ダイヤモンド・オンラインで特別公開する。

欧米や東南アジアに比べて
日本のLCCは成長余地が大きい

 「拡張率」は200%──。2012年のLCC就航当初と現在の国内線数を比べると、目を見張る結果が出た。

 ジェットスター・ジャパン(JJP)と東西の双璧を成すのが、大阪を拠点に急拡大するピーチ・アビエーションである。

 「日本海の海鮮と銘酒を楽しむ最強グルメ旅!」。キャッチーな触れ込みとともに3月、関西国際空港~新潟路線が新規就航した。ピーチはターゲットを若い女性に定めて、SNSのインフルエンサーを駆使したマーケティングで客をつかんできた。

 大阪女子は新潟へ行きたくても、何しろ不便だった。新幹線なら東京を経由し4~5時間、運賃は2万円以上かかる。それがピーチだと1時間10分、運賃は4190円~で、JAL/ANAの3分の1以下だ。すぐに人気路線となり、搭乗率は85%を記録する。