不動産の売却なら、スーモとライフルホームズどっちがおすすめ? 物件数や独自評価システムを徹底比較!

2018年10月24日公開(2022年4月5日更新)
ダイヤモンド不動産研究所
監修者 高橋正典:価値住宅株式会社 代表取締役

今や中古物件探しは、インターネット検索が主流。依頼先の不動産仲介会社がどの不動産検索ポータルサイトを使っているかによって、内覧希望者数は大きく違ってくる。ひいては売却期間や売却価格にも影響を与える重要な問題だ。ここでは、「SUUMO(スーモ)」「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」のポータルサイト2強を比較。林立するポータルサイトの違いを知り、不動産仲介会社選びで失敗しないようにしよう(監修:高橋正典・不動産コンサルタント)。

中古物件といえば、スーモとライフルホームズが2強の理由

 中古物件の不動産検索ポータルサイトとして、よく知られているのは、「SUUMO(スーモ)」「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」「AtHome(アットホーム)」「Yahoo!不動産(ヤフー不動産)」「O-uccino(オウチーノ)」といったあたりだろう。下表は、それらの不動産検索ポータルサイトの掲載物件数をまとめたものだ(編集部調べ。2018年9月現在)。

主要不動産検索ポータルサイトの掲載物件数

 

 ご覧のとおり、中古物件の掲載数では、アットホームが約18万件と頭一つ抜けている。続いてスーモが約15万件、オウチーノとライフルホームズが約14万件となっている。しかし、業界関係者の経験値として広告効果が最も高い、すなわち内覧の問い合わせが多く、成約率が高いといわれているのは、スーモとライフルホームズだ

 「スーモやライフルホームズは賃貸物件の掲載数で圧倒していて、購入希望者の利用も多いのです。そのため、馴染みがあり、将来の見込み客の獲得につながっています。また、中古物件の検索方法にも独自の工夫があって、使い勝手に差があります」(不動産コンサルタントで価値住宅代表の高橋正典氏)

 賃貸も含めた掲載総数では、スーモとライフルホームズが60万件台なのに対し、アットホームは約15万、オウチーノが約25万と、2~4倍の開きがある。その結果、スーモとライフルホームズとそのほかのポータルサイトでは、アクセス数に大きな開きがあるのだ。

アクセス数の差を生む、スーモとライフルホームズの工夫

 高橋氏が指摘するように、スーモとライフルホームズはサイト自体のつくりも随所に工夫が見られる。不動産ポータルサイトの利用者からすれば、掲載されている中古物件の数も重要だが、購入する物件は一つ。自分の条件にフィットした物件をどれだけ探しやすいかが大きなポイントとなる。

 その点、一般のポータルサイトでは、エリアや路線、価格、間取りなど、賃貸物件の検索条件とほぼ同レベルのものしか用意されていないのに対し、スーモやホームズでは、中古物件を選ぶ人の立場に立った独自の検索機能が用意されていて、いろいろな角度から物件探しを行えるようになっている

 では、スーモやホームズにどんな特徴があるのか具体的に見ていこう。

「SUUMOのオススメ検索」は、お買い得な優良物件を埋もれさせない

suumoのオススメ検索suumoのオススメ検索機能

 スーモを運営するのは、株式会社リクルート住まいカンパニー。同じリクルート系列に「じゃらん」「ホットペッパービューティー」「ゼクシィ」など有名サイトが多く、信頼度でアドバンテージを持つ。CMでの露出も多く、知名度ではナンバー1だろう。将来的な見込み客を多く抱えている。

 サイトの機能で最も特徴的なのは、スピーディーに物件が絞り込めるように、「SUUMOのオススメ検索」という独自の検索キーを用意していることだ。一般的な検索項目に加えて、以下の3つのキーで絞り込みが行えるようになっている。

(1)新・旧耐震を問わず、一定の耐震性がある
→耐震基準適合、住宅性能評価、長期優良住宅など、いずれかを満たす。
(2)築25年以上でも住宅ローン控除が使える可能性あり
→築25年以上で、耐震基準適合、住宅性能評価、瑕疵保険のいずれかを取得。
(3)内外装が綺麗で保証もついている
→直近5年内にリフォーム、リノベーション済みで瑕疵保険付き。

 いずれも築年数の経った物件でも、状態のいいものを埋もれさせない検索項目となっている。買い手側からすれば、同検索を行うことで、掘り出し物の優良物件を見つけやすくなるだろう。

 試しに、さいたま市の中古マンションを無条件で検索してみたところ、原稿作成時点で1910件が登録されていた。そこから(3)の「内外装が綺麗で保証もついている」という条件で検索したところ、27件にまで絞り込まれた。

 このように、条件を満たす物件を所有している売主からすれば、競合物件を一気に減らす嬉しい機能となっている。もし売却予定物件が耐震工事やインスペクション(建物検査)済みであったり、売却前に実施の予定があったりするのであれば、不動産仲介会社に相談して、「SUUMOのオススメ検索」で確実にヒットするように動いてもらうといいだろう。

 また、前出の5つのポータルサイトの中で30秒~3分程度の「室内動画」をアップできるのもスーモだけとなっている。

【関連記事はこちら】>>「SUUMO売却査定」で、記者が実際に「不動産一括査定」を試した結果は?

ライフルホームズ独自の検索システム「住宅評価」

 ライフルホームズの運営は、東証プライム上場企業の株式会社LIFULL。同ポータルサイトに物件広告を掲載している不動産仲介会社数は約2万社(新築や賃貸を含む)となっていて、スーモの約1万7000社を上回る(2018年9月現在)。広告料金等の違いもあるが、広告効果や業界関係者からの信頼の高い証しといえるだろう。

 ライフルホームズの最大の特徴は「LIFULL HOME’S 住宅評価」を軸に、サイトを展開していることだ。同住宅評価を簡単に説明すると、売主の希望に応じて(別途費用は発生)ライフルホームズと提携する第三者機関が国土交通省の推奨基準に沿ったインスペクションを行い、検査結果を物件情報とともに公開するものだ。

 具体的には、「価格査定」「建物検査」「設備検査」「シロアリ検査(一戸建てのみ)」の4項目について検査を行う。その結果、たとえば、「価格査定」であれば、その根拠となった建物の評価価格(国交省が推奨する価格査定マニュアルに沿って算定した価格)を見られる。「建物検査」であれば、建物の状態一覧と建物に付けられた瑕疵保険の保証期間および保証金額を公開する。さらに、評価の結果、もしどこかに不具合があった場合は、補修が必要な箇所を明示してくれる。

ライフルホームズの評価書付き物件ライフルホームズの評価書付き物件

 住宅評価を受けた物件は、ひと目で識別できるように、サイト上にアイコンが表示される。また、先の4項目(マンションは3項目)すべてをクリアした優良物件については、アイコンとともに、「LIFULL HOME’S 認定物件」の文字が表示される

 実際に、買い手が「LIFULL HOME’S 認定物件」を検索する場合、全国の同住宅評価の付きの物件を集めたページからエリアで絞り込んでいくことができる。さらに、エリアから物件を検索した場合も、同住宅評価の高い物件から上位に表示されるようになっているため、無評価の物件よりも強くアピールできるようになっている。

 昨今は中古住宅についての知識も広まり、安心して住めることを第一に物件を選ぶ人が増えている。そうしたニーズをとらえた同サービスにより、購入希望者からのアクセスや成約率が急増しているようだ。

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不動産仲介会社は「2強+1」サイトへの広告掲載を必須に選ぶ

 このように不動産検索ポータルサイトの双璧をなす、スーモとライフルホームズ。早期売却、高値売却をめざすならば、両サイトへの掲載は必須だ。前出の表で見たとおり、他にも掲載物件数の多いポータルサイトはあるが、肝心なのはアクセス数だ。閲覧者が多ければ、確率的に内覧者数が増え、成約率も高くなる。

 ただし、通常、売主が物件を掲載するポータルサイトを選ぶことはできない。不動産仲介会社によって、登録しているサイトが決まっているからだ。そのため、不動産仲介会社を選ぶにあたっては、どのポータルサイトに掲載されるかの確認が大切になる。資金力のない不動産仲介会社になると、掲載料の負担が大きいため、どちらか一方のサイトとしか付き合いのないところもあるからだ。

 基本的には、スーモ、ライフルホームズのほか、押さえとして少なくとももう1社掲載してもらえるところを選ぶようにしよう。先ほど取り上げたアットホーム、オウチーノ、ヤフー不動産などが理想だ。ポータルサイトへの掲載料は仲介手数料でまかなわれるため、掲載先が多いからといって、売主の負担が増えるわけではない。見方を変えれば、同じ仲介料をとられるなら、多くのポータルサイトに掲載してくれる不動産仲介会社のほうがおトクということだ。

 また、地域性も考慮したほうがいいこともある。都会ではスーモ、ホームズが強いが、地方都市では、この2強サイトが利用されておらず、アットホームの方が一般的に利用されているということもあるので、地方であればアットホームにも掲載しておきたいところだ。

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不動産検索ポータルサイトへの広告掲載後は、売主自身もチェック

 最後に、不動産検索ポータルサイトに広告が掲載されたら、内容に不備がないか、売主自身が必ずチェックしよう。万が一、情報に致命的な間違いがあれば、掲載した意味がなくなってしまう。掲載するデータをまとめるのは不動産仲介会社の営業担当者や事務員が行うため、ミスがないとも限らない。

 また、掲載後に思うような成果が得られなかった場合の対策も、事前に考えておきたい。不動産検索ポータルサイトへの広告掲載は、広いエリアから集客できるのが魅力だが、遠方の購入希望者は休日にしか内覧に来られないことが多い。

 そこで、できれば、不動産仲介会社に新聞の折り込み広告やポスティングチラシなどの展開も働きかけたい。近隣エリアの人もほうが、気軽に足をはこんでもらいやすいからだ。手間がかかるため、近年は看板を立てて内覧会を開く数は減っているが、内覧会に訪れる人の購買意欲は高く、成約率は高い。有効な販促活動であることを覚えておこう。

 いずれにしても、ポータルサイトに掲載して3週間~1カ月程度が過ぎても、反響が少ない場合は、なんらかの対応策を講じるのが賢明だ。

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対応物件 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
紹介会社数 最大6社
運営会社 LIFULL(東証プライム)
>>LIFULL HOME'Sの詳細記事はこちら

 

 

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9 6 6 6 6 6 6 6 6 10 6 6
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