今でさえ、学生も企業も疲弊している現状が、「就活ルール」の撤廃によってさらに悪化すると懸念されるとすれば由々しき事態だ。

 それを防ぐ手段としては、1人の学生が在学中に受けられる就職試験の数を制限することだ。例えば、大学連盟と経済界が協定を結び、「大学は各学生に5枚の推薦状を渡す。これを持参しない学生とは、企業は採用関係の接触をしない」と決めるのだ。

 もちろん、ルールを破る行為はいくらでも考えつくが、それは現在の就活ルールでも同じこと。破る学生や企業がいたとしても、決まりがあることでそれなりの抑止力となる。

1年生に内定を出して支援する
企業が登場すれば解決する

 では、発想を転換して考えてみよう。

 筆者が期待するのは、1年生に内定を出して支援する企業の登場だ。そもそも企業が高卒より大卒を採用したがる(高い給料を支払う)理由は2つ。1つは大学に合格するだけの能力があり、努力をしたということ。そしてもう1つは大学時代に成長したということだ。

 第1の理由に着目するならば、大学入試の直後に採用試験を行なっても問題はない。究極の青田刈りである。1年生に内定を出し、企業から学生への希望を伝える。「わが社としては、学生時代にこういうことを学んで、こういう経験をしてほしい。諸君が学生時代に何をしたかで、初任給が変わってくるので、ぜひ充実した学生生活を送ってくれたまえ」というわけだ。

 そして、それが第2の理由も補強するという点が筆者案の“ミソ”だ。