統一通貨ユーロからの離脱も
欧州には通貨の自由度が必要

 フランスもギリシャも、高い失業率を抱えており、これが最大の問題だ。フランスは10%と、隣国ドイツの5.7%を大きく上回っている。ギリシャは20%を大きく上回っており、これは社会秩序の維持が危うくなるレベルと言えそうだ。

 大きな失業率を抱えているときに、緊縮政策は不適切だというのが、両国民が緊縮政策に反対する直接的な理由だろう。

 確かに、民間の需要が大幅に落ち込んでいるときに、財政赤字がこれをカバーすることが適切な場合もある。しかし、両国、特にギリシャにとって必要なのは、共通通貨ユーロからの離脱による通貨の自由ではないだろうか。

 観光と農業を主な産業として、膨大な数の公務員を養わなければならないギリシャとしては、通貨ユーロが高止まりしていることが決定的な重荷だ。

 ギリシャをユーロ圏に留めることについては、ユーロの信用維持の意味があるとしても、ギリシャ自身の苦境を救うことを考えた場合には、ギリシャがユーロから離脱して独自の通貨を使えるようにすることが望ましいのではないだろうか。

 フランスは、ユーロの中心国の1つだから、ユーロから離脱する選択肢は当面考えにくいが、ドイツとの失業率の差やフランスとドイツの1人当たり国民所得がほとんど並んでいることを見ると、現在、ドイツと共通の通貨と金融政策を使っていることの「家賃」が高いのではないかと思われる。

 フランス人の労働者とドイツ人の労働者がほぼ代替的なら、共通の通貨で構わないだろうが、両国の産業や労働者の生産性に違いが出る局面では、共通通貨が一方の足枷になる。

 共通通貨ユーロは、財政や物価、生産性などが加盟各国で変わらない条件でなら歪みを生じないが、各国で経済環境が異なり、これに対して各国が財政的に対処しようとした場合に障害となる。