日銀の金融緩和の強化も必要だが、ここしばらくの間、財政は緊縮方向に向けるよりも、拡張的であることの方が適切なのではないか。

日銀に必要なのは手段の独立性
一体改革は成立しなくても惜しくない

 財政赤字の拡大と金融緩和の組み合わせの副作用は、長期金利の上昇とインフレ率の上昇、さらに通貨安だが、現在、長期金利は低位で安定しており、インフレ率はもっと高いことが望ましく、為替レートも円安の方がいい。

 そもそも、過去のデフレの影響を修正することを考えると、インフレ目標値は1%よりも高い方が適切なのではないか。また、米国よりも低いインフレ目標を掲げ続けることは、市場からは「円安にはしない」という意志の表明とも読める。

 一般に、あるべき「中央銀行の独立性」は、「政策目標ではなく、手段の独立性だ」と言われる。「1%が目標だが、達成の時期については、判断をこちらが預からせてもらう」という現在の日銀のスタンスは、明らかに政策目標レベルで独自の判断をしている。

 世の役に立つ普通の中央銀行になってもらうためには、日銀法を改正して、政策目標レベルでは政府のコントロール下に入ることを明確化すべきだと思われる。

 また、消費税率の引き上げは今でなくともよい。小沢一郎氏の無罪判決などもあり、我が国の政治の見通しが利きにくくなっているが、社会保障と税の一体改革法案は、成立しなくても惜しくない。

 もっとも、政局の方がギリシャ並みに混迷する可能性があるのは、大いに心配だ。