長距離移動に欠かせない途中下車の活用法長距離移動に途中下車を上手く活用している? Photo:PIXTA

JRの乗車券で改札口をいったん出たら、再び入場することはできないと思っていないだろうか?実は条件を満たせば、JRは「途中下車」が利用できるルールがあるのだ。皆さんは途中下車を上手く活用しているだろうか。今回はビジネス出張や旅行で費用を少しでも節約するための途中下車ルールと関連する大回り乗車を紹介しよう。(鉄道ジャーナリスト 渡部史絵)

片道乗車券の有効期間日数JR東日本が公表している「乗車券の有効期間」を元に編集部が作成

 皆さんは長距離の乗車券は途中で下車できるのをご存じだろうか。「途中下車」とは旅行途中(乗車券の区間内)の駅で改札の外にいったん出ることをいう。そして後戻りしない限り途中下車は何度でも可能である。JRの場合は、片道の乗車距離が101kmを超える普通乗車券(以下、乗車券とする)を使って目的地の駅まで行く場合、途中の駅で下車して宿泊が可能になり、翌日から再び列車に乗って目的地に向かうことができるのだ(詳細は旅客営業規則第154条「乗車券の有効期間」、第156条「途中下車」、きっぷあれこれの「途中下車」参照)。

 例えば、オフィスが東京にある人が、月曜日に静岡、翌火曜には名古屋へ出張しなければならないとしよう。この場合、東京~名古屋間の乗車券を使用開始日に通しで購入すると、乗車券の有効期間は出発地から目的地までの乗車距離によって決まるので、静岡で途中下車し、翌日に名古屋を目指すことが可能になるわけだ。

長距離乗車は通しで買うのがお得?それとも分割したほうがお得?

 途中下車を利用すると何が得かというと、乗車券を別々に購入すると基本運賃がかかるので、101km以上の長距離移動の場合、乗車券は通しで買った方が安くなる。ではいくら違うのか、先ほどの東京~名古屋を通しで買った場合は6260円であるのに対し、静岡を分岐点に分割して買った場合は6700円になり、通しの方が440円得することになる。