株価下落でも買値を気にして損切りができない理由写真はイメージです Photo:PIXTA

株価が下がるのは
2つの理由から

 株式投資において買値、すなわち自分が買った値段を気にするあまり、不合理な意思決定をしているケースがよくある。

 最もありがちなパターンとしては、買った後に下がってもなかなか損切りすることができないことだ。その結果として、ずるずると損失を広げてしまうということはよくあること。なぜこういうことになってしまうのか、行動経済学の観点から考えてみよう。

 そもそも株を買うのは、値上がりすると思うからであることは言うまでもない。ところが、意に反して値下がりすることも大いにありうる。株式投資をしていればごく当たり前のことだから、下がったからといって焦る必要はない。大切なことは下がったときに、なぜそうなったかという理由を考えることだ。

 株価が下がるのには、大きく分けて2つの理由がある。

 1つは、その企業の収益見通しが悪くなった、あるいは将来の成長期待で買われ過ぎていたものが、妥当な価格水準に戻ったかだ。これらは、投資している企業自体に関することだ。