『週刊ダイヤモンド』10月20日号の第1特集は、「大学・学部序列」です。367大学1178学部の37年間の偏差値、志願者数などのデータから長いスパンで大学や学部の序列を大局的に振り返ると、大学全体の変化や課題が浮かび上がってきます。本特集から、都心に回帰する中央法学部の狙いについて、福原紀彦・中央大学学長のインタビューを特別公開します。

──中長期事業計画(2016~25年)を8月末に更新し、多摩キャンパス(東京都八王子市)にある法学部を都心に移転する計画を具体的に明示しました。東京・大塚に新校地が手に入るか否かで2パターンが併記されています(図「【中央大学の青写真】看板の法学部 都心に回帰」参照)。

福原紀彦学長ふくはら・ただひこ/1954年生まれ、滋賀県出身。84年中央大学大学院法学研究科民事法博士後期課程満期退学。95年法学部教授、2004年法務研究科教授、11年総長・学長、18年5月より現職。専門は民事法学。Photo by Masato Kato

 5月に法律(東京23区内の大学の増員を10年間認めないもの)が成立して、移転ができなくなります。だから学内にたくさんの意見がある中、5月の就任から3カ月間で急いで集約しました。

 見てくださいよ、このやつれようを(笑)。

──都心移転の是非はもっとゆっくり考えたかったんですか。

 学長を務めるのは2回目です。1回目のときからデュアルキャンパス構想を描いていて、都心で活動してきた長い歴史と培ってきた人間関係や成果、多摩に来て40年の経験をデュアルで生かしたいという思いがありました。

 ただ今回はね、法曹養成における時代の要請もあった。法科大学院制度がいろいろな問題を抱え、法曹教育はこの2~3年で大きく変わろうとしているんですよ。国の制度見直し検討の中心にうちの教員も携わっています。

 法学部を経て法科大学院まで5年間で修了できるような一貫コースの検討が進んでおり(図参照)、そこでは法学部と法科大学院の関係がもっと緊密になる。法学部に法曹コースを設けて特別枠で法科大学院の科目も履修し、単位を取得できるようにするんです。

 さらに法科大学院修了前に司法試験を受けられる仕組みまで導入されたならば、法学部3年、法科大学院1.5年で最短4.5年になります。