10月17日、米金融大手の第3・四半期決算は、またしても債券取引事業の業績が不振だった。各行は業績向上を目指して新技術の採用を急いでいるが、アナリストによると利ざやは縮小する見通し。写真はウォール街の標識。NY市で2013年10月撮影(2018年 ロイター/Carlo Allegri)

[17日 ロイター] - 米金融大手の第3・四半期決算は、またしても債券取引事業の業績が不振だった。各行は業績向上を目指して新技術の採用を急いでいるが、アナリストによると利ざやは縮小する見通しで、勝ち組に入れるのはシェア拡大に成功した数社だけだろう。

 第3・四半期に債券取引の収益が前年同期に比べて目に見えて増えたのはシティグループだけだった。最も振るわなかったのはゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーで、それぞれ10%減少した。

 世界金融危機後の相場急上昇が終わった2010年以降、債券取引の収入は減少を続けている。オッペンハイマーのアナリスト、クリス・コトフスキ氏によると米金融機関全体では2010年の年間1010億ドルから40%減って610億ドルとなった。

 背景にあるのは歴史的低金利と規制強化によるコスト増だ。専門家は、銀行が取引の電子化や処理速度の迅速化を進めれば、業績を上げられるという。実際、株式取引が数十年前に同じような道をたどった。

 JPモルガン<JPM.N>のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は16日、アナリストに対し、債券市場の規模は今後20年間で2倍に拡大するため、収益も向上する可能性があると述べた。しかし実情は、ここ数年で債券・為替・コモディティ(FICC)取引事業の市場規模が拡大した一方で、利益率は縮小している。

 オートノマス・リサーチの銀行アナリスト、ガイ・モシュコフスキ氏は「問題は一部の銀行が、さらに破壊されてしまう前にどの程度事業モデルを変革して自らを破壊できるかだ。ゴールドマン・サックスのような企業はそうしたシナリオを念頭に置いていてもおかしくない」と話した。

 ゴールドマンのマーティー・チャベス最高財務責任者(CFO)は、早くから債券取引の「電子化」を唱えてきた。16日のアナリスト説明では「機械にできることは機械に任せるに限る」と述べた。

 競合するモルガン・スタンレーも債券取引の自動化を「最優先」課題に掲げている。

 かつて、債券取引の自動化は株式に比べて難しいとの見方があった。社債ひとつ取ってもさまざまな年限の銘柄が数千もあり、取引所に上場しておらず、流動性も低い。

 しかし今、ゴールドマンの社債取引システムはアルゴリズムを使い、最大200万ドルの取引を自動で行える。チャベスCFOは、将来的にはもっと大規模な取引が処理できるようになると述べた。

 取引自動化の短所は利ざやの極端な縮小だ。最終的には、シェア最大手の一握りしか利益を上げられなくなるだろう。

 オッペンハイマーのコトフスキ氏は「電子的に容易に取引できるものは、ゼロに近い利ざやで取引される」と語った。

(Matt Scuffham記者)

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