短期間で育ち、収穫期が何度もあるため、1年中食べられる小松菜ですが、元々は冬野菜の一種です。

 青物不足の冬場に、霜に耐えて最もおいしくなる小松菜。

小松菜と蛤のぬた
【材料】小松菜…1束/蛤…5~7個/酒…大さじ1/白味噌…大さじ2/酢…小さじ1/練り辛子…少々
【作り方】①小松菜は3cm幅に切り、塩を入れて沸騰させた湯に茎の方から順に入れ、5分程度茹でたら冷水にさらして水気を切る。②蛤は鍋に入れ、ひたひたの水と酒を入れて強火にかけ、口が開いたらすぐに取り出して身を殻から外す。③ボウルに白味噌、酢、練り辛子を加えて混ぜ、1と2を加えて和える。

 

 ほうれん草と違ってアクを取る必要がない分、調理がしやすく、用途も広いため、重宝されていました。

 江戸の節約おかず番付『日々徳用倹約料理角力取組《ひびとくようけんやくりょうりすもうとりくみ》』の中でも、「小松なひたしもの」は一年中食べられるおかずとして、精進方・前頭七枚目に入っています。

小松菜浸しもの(『日々徳用倹約料理料理角力取組』より)
【材料】小松菜…1束/油揚げ…1/2枚/出汁…1.5カップ(300ml)/酒…大さじ1/みりん…大さじ1/醤油…大さじ1
【作り方】 ①小松菜は5cm幅に、油揚げは3mm幅に切る。②鍋で油揚げを空炒りし、出汁と酒とみりんを加えて中火で煮、一煮立ちしたら小松菜を茎の部分から順に鍋に入れ、醤油を加えて3分ほど煮たら火から下ろし、自然に冷ます。

 

 また吉宗の頃から、浅草周辺では「菜飯田楽」という、田楽に菜飯を添えて出す店が流行しました。

 菜飯に使う青菜は、小松菜、大根、蕪の葉など。

 青菜を刻んで、塩を入れて炊いたご飯に混ぜたり、普通に炊いたご飯と混ぜてから塩で味をつけるなど、多少調理の手順に差はありますが、米、青菜、塩という素材に違いはありません。

 青菜を丸ごと、生でおいしくいただける上、彩りも美しく涼しげなので、これからの季節に良いように思います。

菜飯《なめし》
【材料】小松菜…1/2束/御飯…1杯分/塩…少々
【作り方】 ①小松菜は細かく刻み、布巾に包んでしばらく水にさらした後、水気を絞って布巾から取り出し、塩で揉んでおく。②炊きたてのごはんに1を混ぜ、お好みで塩を振っていただく。