子どもの自制心を育みたいなら、
親が自らの行動を変えればいい

 このように、子どもの“基準”を作る上で親の影響力は大きいものです。アメリカの食事のポーションは日本人にとってはどれもかなり多く感じるものですが、ボークさんの家では、そんなアメリカサイズのケーキを買うときには、1個を家族3人で分けて食べていたといいます。

 つまり、ボーク家基準のケーキの適量は、その1/3個になるわけです。日本以上に小児肥満が問題となっているアメリカで生活をするには、「一般的に売られている量=適量」ではなく、かといって「絶対に食べてはいけない」とするのではなく、このバランス感が大切なのだと感じます。

 親が見本を見せると、子どもはそういうものだと思って同じように行動する…とボークさんがお話になるように、実際に、娘のスカイさんは、甘い飲み物は飲まず、野菜を取ることも自ら意識しています。そして、ボークさんが夜10時以降に何も口にしないのはお母様の影響で、それが普通だと思っていたからともいいます。

「子どもの自制心を育むことは、社会の責任です。やりたくないならいいや、となったら社会性がなくなって、彼らは社会の一員として機能しなくなります。親が自制心を働かせて、子どもが真似をしていいことなのかを考える。食事は自制心の非常に良い訓練の場になります」

 視覚からの情報が圧倒的な影響力をもつのは誰もが知るところですが、その論理は、子育てにもいえることです。

「子どもは親を見ているから、親がしていないことは、どんなに言ってもしません。でも、それを逆手にとって、親自らが行動を変えればよいのです」

 …そういわれると一瞬ハードルが高く感じますが、結局はそれが自分にも家族にも返ってくることであれば、一度、家庭での食事のあり方を考える時間をつくることは決して無駄ではありませんよね。

子どもが落ち込んだとき、
自己肯定感を高めるために何をすべきか

 新著『「非認知能力」の育て方:心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(小学館)では、非認知能力の大切さについてもお話ししています。非認知能力を伸ばす上で特に大事なのは、先にあげた自制心、そして自己肯定感。その自己肯定感を育てるために有効だとされる家庭での食事のポイントについても最後に教えていただきました。