また、現状の組織体制や使用している会計システムの中でのやりづらい点、あるいは「こうすれば上手くいくのに……」といった改善案は、経理部内のマネジャークラスではなく、一担当者や主任クラスの人の方が何となくでも頭の中で持ち合わせているものです。

 こうしたなか、様々な業種・規模の顧問先の経理処理を講じている税理士事務所の職員が、強い味方になる期待は大きいものです。たとえば、税理士事務所側の職員さんが、同業他社や同規模の手法や最適なシステムについてなど、顧問先の現場を通じ、諸々の情報を持ち合わせていることもあるでしょう。

 もしも、本稿をお読みの方が経理部内の実務担当者であれば、あなたの脳裏にある業務の困り事を整理して、税理士事務所の職員に相談し、有益な手段を聞き取りながら、自社で取り入れられる改善策を上司に対して提起してはいかがでしょうか。実務者同士の力は決して侮れないものです。

 こうした税理士事務所側の職員さんの支援による業務改善策は、効率化のみならず、ひいては実務担当者や主任の発案・実行力を養い、マネジャー職などの次のステップを踏むための準備機会ともなり得るのです。

【課長・次長編】
経理ならではの役目に邁進するため
税理士に“十八番”を講じてもらう

 経理業務のIT化が進んだとしても、時間外労働がなかなか減らない現状は、今でも多く見聞きされますが、こうした事態は疑って見る必要があるようです。筆者は、管理者向けのセミナー講師としても従事していますが、「個々の人材の能力を十分に生かしているのか」といった問いに対して「イエス」と返答する方はごく僅少で、残念ながら「労働者不足=生産性悪化、残業が減らない」といった公式が当てはまらないケースは珍しくありません。