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格差や貧困問題の是正が放置されているうちに、「アンダークラス」が900万人を突破、日本は「階級社会」への道を突き進んでいる。中でも「中間階級」が崩壊、新たな貧困層が生まれてきた。それは、どん底一歩手前の「マイルド貧困」とも呼べる新たな階級だ。そこでDOL特集「『マイルド貧困』の絶望」第13回は、10万部クラスのヒットを飛ばしたことがある作家が転落し、マイルド貧困に陥った軌跡を追った。(ライター 根本直樹)

10万部のヒット作を飛ばしても
出版社から声がかからなくなった

「もう作家なんかで飯を食っていける時代じゃいないよ」

 神田のそば屋で焼酎を片手に、やけくそ気味に語るのは、これまで十数冊の著書がある小説家、エッセイストの東山健吾(仮名・50代)だ。20代後半である文学賞の新人賞をとり、10万部クラスのヒットを飛ばしたこともある。しかし、7年前に出した本を最後に、出版社からお呼びがかからなくなってしまった。

 東山は言う。

「最後に出した本なんて初版2000部だよ。1年かけて300ページ以上の長編書いて、印税は30万円ちょっと。好きだから、書きたいことがあるからやってきたけど、もう限界だよね」