セグウェイに載ったエンジニアが自動運転車の実験をしている区画整理され、同時に作られた均質な建物が並ぶ中、セグウェイに載ったエンジニアが自動運転車の実験をしている。これが2018年現在の雄安新区だ

世界各国の政府が「自国のシリコンバレー」を口にするように、中国政府もいくつも「第2の深セン」を狙ったプロジェクトを仕掛けている。最近では北京郊外の雄安新区に「千年の大計」として大規模開発を行っている。雄安新区は未来の深センとなれるか。(高須正和:メイカーフェア深セン/シンガポール)

習近平政権の
肝いり政策「雄安新区」

 昨年から「雄安新区」という名前がさまざまなメディアで聞かれるようになった。

 雄安新区は、北京から150kmほどの郊外にある、河北省の何もない場所だ。もっとも、「北京郊外」と書いたが、この150kmという距離は東京から富士山より遠い。北京から南東に150kmほど行った場所に大都市である天津があるが、雄安新区は南西に150kmほど行った先にある。