「このあとちょっと飲みにでも…」という場面で、即座にベストなお店へと案内できる自信が、あなたにはあるだろうか?デキるビジネスマンはそんなときのために、自分だけのお店のデータベースを持っている。お店選びのポイントや心得を、NASDAQに上場している外資系IT企業「ライブパーソン(LivePerson)」の日本法人代表として働く傍ら、多数のビジネス書籍を出版する金田博之氏に聞いた。(清談社 島野美穂)

飲食店のデータベースは
デキる人の必須アイテム

どんな好みの相手にも合わせられるように、普段から美味しいお店のリストを作成しておくものです相手の食べ物の好き嫌いや雰囲気の好み、季節などを考慮してベストの提案をするためには、普段からいいお店のリストを作っておくことだ Photo:PIXTA

 仕事がデキる人は、どんなビジネスチャンスも逃さない。たとえ気軽な会食であろうと、ちょっとしたお茶の席だろうと、その場を思い通りにコーディネートし、相手を自分のペースへと引き込んでしまうのだ。

「相手とどれくらいの距離感で、どんな話をしたいのかによって、お店のチョイスも変わっていきます。先方の希望に応えられるお店を瞬時に提案するために、日頃からお店データを作ることを癖づけるのです。現時点で自分のお店リストが20軒もないという人は、大至急作ることをオススメします」

 そう語るのは、金田博之氏。金田氏は大手製造企業でグローバル新規事業を推進する傍ら、仕事術や思考法に関するビジネス書籍を多数出版してきた、デキるビジネスマンなのだ。さらにこの9月より、NASDAQに上場している外資系IT企業「ライブパーソン(LivePerson)」の日本法人代表を務めることに。40代前半での就任は異例のことだ。

 その金田氏が実践する、ビジネスパートナーと良好なコミュニケーションを築くための秘策は、意外にも簡単なことだった。

「お店を自分でセッティングすること。簡単に言うと、これだけです。ビジネスパートナーとの食事の席というのは、交渉を取り付けたり、一緒に企画に取り組む前の関係づくりに一役買う重要な場。さまざまな条件を考慮して、“相手が落ち着ける店”を提案し、自分のペースに引き込むのです」

 例えば赤坂で打ち合わせて、「軽く飲みに行きましょう」という流れになった場合。「カジュアルに飲める店」を提案できるのは当たり前。目指すはそのさらに上、「カジュアルに飲めて、なおかつ、相手好みの店」だ。