じつは、健康面で「病気になりにくい体質」があるように、緊張にも「緊張しにくい性質」があるのです。ということは、そういう性質になれば、緊張を恐れないですむので、「動じない自分」でいられるということ。

 健康のために予防が大切なことは、みなさん納得していることでしょう。心身のコンディションを整えることを普段から意識して「病気になりにくい体質」になっている人は、たとえ病気になったとしても、短期間で回復することができます。

「緊張しやすい性質」が陥る
悪循環のサイクル

 それと同じように、「緊張しにくい性質」になっている人は、多少の緊張状態になっても、自分でリカバリーできるということ。

 たとえば、開発した新商品を社内の会議でプレゼンするとき。社長や役員も並び、商品化するか否かが決まる大事な場面です。

「ここで決めたい」。それが自分の評価につながるだけでなく、これまで一緒にがんばってきた仲間のためにも。でも、大勢の前、しかも目上の人が多い中で話す……。

 誰しも大きなプレッシャーを感じてしまうことでしょう。

 そんなとき、もし「緊張しやすい性質」であれば、自分が話している最中の聞き手のちょっとした顔色の変化にも、「何かマズかったかな」「ダメなのかな」など、あれこれと考えてしまい、集中力を失ってしまいます。

 説明でトチってしまったり、質問に対してしどろもどろな回答になってしまったり……。そうなると、焦るためにさらに動揺してしまうという悪循環になりかねません。

 一方、「緊張しにくい性質」になっていれば「動じない自分」でいられるので、たとえドキドキしていても、今なすべきことに集中できます。

 用意した資料をもとに、説明すべきことやアピールしたいこと、相手が懸念することなどを入れて、しっかりとプレゼンしていけます。多少のつまずきがあったとしても、一定のレベルを保ち、自分なりに充実感を得られる。

 そうなると、プレッシャーがかかっていることを忘れて、その場にしっかりと溶け込み、聞き手から鋭い質問があっても的確に答えることもできるでしょう。十分に納得した聞き手から、今後のアドバイスをもらえるかもしれない。

 そんな「好循環のサイクル」に入っていくこともできるのです。