景気後退Photo:PIXTA

 2012年11月を「谷」にして景気は長期の回復を続けている、というのが、政府の景気判断だ。政府の月例経済報告では、「景気は、緩やかに回復している」という判断が続いている。

 来月1月にはリーマンショック前の景気拡大期を超えて、戦後最長の景気拡大を達成する、というのは、もはや「既定路線」のように語られている。

 しかし、景気はもう後退している可能性が強い。

 かつて月例経済報告の作成にかかわった筆者から見れば、最近の経済指標を見て「緩やかに回復」とは、さすがに言い難いのではないか。

月例経済報告は来年1月の
「戦後最長」が既定路線だが

 月例経済報告の景気判断の表現は、最近、トレンド重視ということかもしれないが、景気の細かな動きを巧みな「霞が関文学」で表現していくという官庁エコノミストの醍醐味を放棄しているかのようだ。

 読む側も緊張感が出てこないし、考え過ぎとは思うが、何やら「忖度」すら感じる。