東京の水素ステーション11月13日、オーストラリアが、エネルギー源としての水素の開発に力を入れている。写真は東京の水素ステーションで2017年4月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[メルボルン 13日 ロイター] - オーストラリアが、エネルギー源としての水素の開発に力を入れている。水分が多く低品質とされる石炭「褐炭」や太陽光、風力発電を活用し、次世代のエネルギー産業として育成したい考えだ。

 コンサルタント会社ACILアレンがオーストラリア再生可能エネルギー局向けにまとめた調査では、2030年までに中国、日本、韓国、シンガポールで合わせて70億ドル規模の水素需要が生じる見通しで、オーストラリア政府が供給元となることを目指す。

 オーストラリアは世界最大の石炭輸出国であり、液化天然ガス(LNG)の輸出では世界2位。2019年に480億豪ドル(350億米ドル)に達するとされるLNG輸出量に比べれば、水素輸出は当初は小規模とはいえ、LNG輸出量が過去30年間で伸びたように成長する可能性があるという。

 西オーストラリア州の地域開発責任者は「日本や韓国などオーストラリアが天然ガスを販売してきた相手は将来のエネルギー源として水素などに重点を置いており、こういった市場にきちんと提供していくようにしたい」と述べた。

 水素は宇宙ロケットの動力源としても活用されている。天然ガスや石炭に比べ温室効果ガスの排出量が少なく、燃料電池自動車や工場設備の動力源、天然ガスの代わりに住宅の暖房用などとして活用への期待が高まっているが、開発は進んでいない。

 それでも温室効果ガス排出削減に向けた世界的な取り組み推進や、風力・太陽光発電コストの減少を背景に、水素への注目度が再び高まっている。

 オーストラリア政府アドバイザーを務める首席科学者のアラン・フィンケル氏は、2030年までに水素の輸送コストを日本側が受容できる水準まで引き下げるのが目標だ、と指摘した。

 川崎重工業は、ビクトリア州にある同国最大の炭鉱で、褐炭から水素を生産する試験計画を主導。オーストラリアのガス生産業者ウッドサイド・ペトロリアムは韓国ガス公社と共同で、メタンを天然ガスに転換して水素を取り出す生産方法の開発に取り組んでいる。

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