不動産を高値で売却する方法[2019年]
2018年12月11日公開(2018年12月21日更新)
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ザイ・オンライン編集部

「不動産売買手数料は最大ゼロ円」などと宣伝する
「手数料割引」の不動産仲介会社を使って大丈夫?
安くできる仕組みと、優良業者の見分け方を解説!

最近、不動産売買の仲介手数料を割引する不動産仲介会社が増えている。売主と買主の仲介をすることで売買を成立させる不動産仲介会社にとって、仲介手数料は大きな収益源であることを考えると、「安かろう悪かろう」になっていないのだろうか。また、手数料割引業者はどうやって見分ければいいのか。業界における仲介手数料の実態も紹介しながら解説しよう。

不動産売買の仲介手数料は上限が示されている

売却不動産募集中のチラシ手数料の割引を宣伝する売却不動産募集中のチラシをよく見かけるようになった(本文とは関係ありません)

 近年、不動産売買の仲介手数料を「半額」や「無料」にするなど、新しいビジネスモデルを売りにした不動産仲介会社が台頭しはじめている。いまだに物件情報をファックスでやりとりしている旧態依然とした不動産業に対して、ITなどを駆使した新しいビジネスモデルを展開するベンチャー企業が、不動産仲介業界に進出してきたのだ。

 一般的に、不動産売買の仲介手数料は、「売主」と「買主」の仲介をすることで発生する。賃貸でも同じだ。売主や買主が仲介の不動産会社に支払う手数料を「仲介手数料」といい、「手数料」などと略して言う場合もある。この仲介手数料は成功報酬で、売買契約や賃貸契約が成立した時に支払うものだ。

 特に不動産売買では、物件価格が高額になるため、仲介手数料も意外と大金になる。「宅地建物取引業法」により、不動産会社が受け取ることのできる仲介手数料には上限額が以下のようにもうけられている。以下がその上限金額だ。

■不動産売買の仲介手数料
取引額 上限
400万円超 3%+6万円+消費税
200万円超~400万円以上 4%+2万円+消費税
200万円以下 5%+消費税

 以上のように、仲介手数料は、取り扱う不動産の金額によって変わる。例えば、A社がある物件の所有者から売却依頼を受け、5000万円で売却が成立したとしよう。A社が売主から受け取る手数料は、5000万円×3%+6万円+消費税=約168万円(上限)にもなる。

 ちなみに、A社が買主も自分で見つけてくれば、買主からも約168万円の手数料が入る。つまり、この物件の売買で、総計168万×2(売主、買主)=約337万円の仲介手数料収入(上限)がA社に発生することになる。

 こうして考えると、手数料は結構大きな負担だ。ところが、大半の不動産会社は上限いっぱいを当然のように請求してくることが多い。そこで、「手数料割引」を実践する不動産会社が登場してきたのだ。手数料は上限が決まっているだけなので、割引、無料も可能というわけだ。手数料割引業者の登場で、頑なに割引を拒否してきた大手不動産会社でさえ、最近は1~2割引の割引に応じることが多くなっている

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手数料の割引ビジネスが注目される理由

 では、こうした手数料の割引はどういった仕組みになっているのだろうか。もし手数料が安くても、まともに買主を見つけてくれなかったり、宣伝してくれなかったりという、「安かろう悪かろう」の不動産仲介会社では意味がない。

 手数料割引業者にはいくつかのタイプがある。

①売主だけ、無料または割引
②買主だけ、無料または割引
③売主も買主も、手数料は割引

 こうしたタイプを見ているとわかるのだが、不動産仲介会社は必ず、売主か買主のどちらかからは手数料を取っている。誰かから手数料を取らなければ経営できないので、当たり前だろう。手数料割引業者のサイトに「手数料無料」「手数料は最大無料」などとデカデカと書いてあっても、どちらかだけが「無料」だったり、「割引」というケースが多いので、会社の説明をよく読もう

 では、それぞれのタイプの「儲けの仕組み」と「注意点」を説明しよう。

「①売主だけ、無料または割引」しているのは、売主を見つけることに主眼を置いている不動産仲介会社だ。売主からの手数料が無料または割引でも、自社で買主を見つけてそちらから手数料を上限いっぱいもらえれば、経営が成り立つという仕組みだ。

 ただし、気をつけたいのは、こうしたタイプの割引業者の場合、「どうしても買主を自社で見つけたい」というインセンティブが働きやすい。もし、他の不動産会社から「内覧したい買主がいるのですが?」と問い合わせがあっても、それを受けてしまうと買主からの手数料を他社に取られるので、無視するという「違法な囲い込み」を行う可能性がある。結果として売却期間が長くなり、売値も引き下げるということになれば、売主にとっては大きな損失となる。手数料が割引でも、売値が下がってしまっては、本末転倒だろう。

 また、「売主無料」は、買主が不動産買取再販会社などの「不動産会社」である場合に限られることが多いので注意が必要だ。買主が不動産会社なら確実に手数料を得られるだけでなく、それ以外の裏取引もセットになっていることが多い。例えば、不動産を買ってくれた不動作会社がリフォームなどを施して転売する時にも、仲介を担当させることで、最終的には手数料を荒稼ぎできる。だから、売主から手数料を取らなくてもやっていけるのだ。

「②買主だけ、無料または割引」は、よく見かけるタイプだ。割引業者の説明書きをよく見て欲しい。注釈の小さい文字等で「売主が不動産会社(不動産分譲会社、不動産建売会社)の場合に限ります」と書いてあるのが大半だ。つまり、新築戸建て物件や、リノベーションした中古物件は、売主(不動産分譲会社)から手数料がきちんと取れるので、買主からは手数料をもらわないで済むのだ。売主の不動産会社は物件を早期に売るために、手数料以外にも広告宣伝費を支払うことも多いので、割引業者が損することはないのだ。

 また、「スーモ・ホームズなどの情報サイト等で購入したい物件を決めてきてくれば、手数料を半額にします」などと書いている不動産仲介会社もある。こうした不動産仲介会社は、売主からしか手数料を貰えないので、通常の手数料上限の半分しかもらえない。そこでコストを抑えるために、物件の内覧に付き合ったら、即決することを求めがちだ。物件に問題があれば指摘し、契約上のトラブルがあれば親身に相談に応じるなど、買主の立場に立った対応は期待できないかもしれない

 なお、他の不動産仲介会社で内覧をしたうえで、手数料割引業者で契約した場合、商道徳に反する行為となるので、あまりオススメしない。

「③売主も買主も、手数料は割引」は、以上の①、②のケースの複合型と言える。いずれにせよ、売主と買主から手数料を得ているが、多くの不動産仲介会社よりは手数料収入が少ないので、「安かろう悪かろう」になっていないのか、チェックしたほうがいいだろう。

割引してもやっていける理由は2つ

 では、「優良な手数料割引業者」はどうやって見分ければいいのか。それは「根拠のある割引」であるかどうかを見分けることが必要だ。低コスト経営を実践している不動産仲介会社を見ると、3つの特徴ある。

 1つ目は、「ネットの活用」だ。インターネットの普及で、いまでは不動産を購入したいという人の多くが、ネットで不動産を探すようになった。そこで、なるべく多くの不動産サイトに登録したり、自社サイトを活用したりして露出を増やすことで、買主を低コストで見つけやすくなったのだ。

 また、「営業コストの削減」も重要だ。普通の不動産仲介会社に比べて早期の売却を実現することで、営業コストを削減できる。いまだに一部の不動産仲介会社は、売主と買主の両方から手数料をもらう、いわゆる「両手取引」をしようとする。間に不動産仲介会社が入らなければ、手数料が2倍になるからだ。その結果、他の不動産仲介会社から問い合わせがあっても無視することになるので、売却機会が少なくなり、売却期間が長くなりがちだ。

 現在の不動産仲介会社が抱えているこうした問題点を逆手に取り、むしろ積極的に他社にも物件を紹介してもらうよう開き直ってしまえば、早期に売却できるのでコストを削減できるのだ

 また、実店舗をほとんど持たないことで、高い賃料が発生しないのも大きな特徴だ。

 「ITを活用した省力化」も、手数料割引業者の多くが取り組んでいる。

 不動産仲介会社の世界はIT化が遅れており、いまだに紙ベースでのやり取りが多い。顧客との問い合わせも電話が多く、コストがかかっている。そこで、問い合わせや希望に沿った物件紹介をウェブベースで行うなど省力化を進め、情報管理をIT化することでコストを削減している。

 欲張って売主と買主の両方から手数料を取らなくても、IT技術を活用して営業の効率化を図ったり、インターネットで幅広くたくさんの顧客を集客できたりすれば早期に契約成立することが期待できるため、割り引いた手数料でも十分やっていけるのだ。

 手数料割引業者をチェックする際は、こうした根拠のある割引なのかどうかを確かめよう。

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会社ごとに、ビジネスモデルをチェックすべき

 次に、手数料を割り引いている不動産仲介会社のビジネスモデルはどうなっているのか、主要企業・サービスについてチェックしてみよう。

 売主の仲介に徹することで、手数料の半減(個人が買主の場合)を実現したのは、不動産売買仲介会社「REDS(レッズ)」だ。サイトの宣伝によると、「人件費を30%削減、経費・広告費を50%削減」などにより、手数料の半額を実現している。

 ビジネスモデルは独特だ。REDSは、日本では希少な「米国式エージェント」、つまり「売主」だけを担当するエージェント方式を採用している。自社で買主を見つけることはせず、たくさんの不動産会社に「買主を見つけてください」と呼びかけるというビジネスだ。

 このエージェント方式の採用により、REDSとしては自社でポータルサイトに物件を登録したり、チラシを撒いたりするという営業コストをほとんどかける必要がなくなる。また「囲い込み」をしないので、売却期間が短くなる分、人件費も安くなるので、手数料を半額にしても成り立つという仕組みだ。

 一方、ネットを主体に営業している不動産仲介会社「マンションマーケット」は、手数料を49万8000円(消費税抜き)の定額にして注目されている。1460万円の物件の売却手数料(上限)が49万8000円(消費税抜き)なので、それ以上の物件を仲介してもらう場合は手数料が割安になる計算だ。例えば5000万円の物件を売却する場合、通常なら手数料上限が約156万円(消費税抜き)であるのに対して、49万8000円で済むため、100万円以上割安になる。

 マンションマーケットのビジネスモデルは、積極的にインターネットで広告するというもの。30以上の不動産ポータルサイトに物件情報を掲載し、露出を増やして販売機会の拡大を目指している。大手不動産会社でもせいぜい5−10サイト程度しか登録しないのに比べると、露出は非常に多い。

 都心のマンションの売買に特化している不動産仲介会社「カウル」も、公表していないが、売主の手数料を半額にしている(条件あり)。売主・買主とのコミュニケーションをできるだけウェブで完結することで人件費などを大幅にカット。メールだけでなく、チャットなども活用してコスト削減を図っている。さらに早期売却のために、大手不動産ポータルサイトに登録するほか、業者間物件情報ネットワーク「レインズ」を積極的に活用して他の不動産会社にも顧客を紹介してもらう。

 他の不動産仲介会社が物件広告をしてくれるのを嫌がる不動産仲介会社が多いなかで、カウルは「広告フリー」を打ち出しているのも新しい点だ。なお、手数料半額は、専任媒介で契約し、物件価格が3000万円以上、都心中心の対象エリア限定としている。

■主要な「手数料割引」不動産仲介会社の比較
  REDS マンション
マーケット
カウル
売主の手数料 半額(個人が買主)
無料(不動産会社が買主)
49万8000円+消費税(定額) 半額(専任媒介で、3000万円以上)
買主の手数料 半額(個人が売主)
無料(不動産会社が売主)
割引なし 割引なし
掲載サイト数 (売主側の不動産会社に任せる) 30サイト以上 不明
自社サイトのユニークユーザー (販売は、売主側の不動産会社に任せる) 57万UU/月 28万UU/月
営業エリア 首都圏(都心ターミナル駅まで30分程度のエリア) 東京23区、神奈川の一部のマンション(売却) 東京23区、三鷹市、武蔵野市、西東京市、横浜市、川崎市のマンション
両手取引
への対応
× ○(ただし、囲い込みをしないと宣言) ○(ただし、囲い込みせず、広告転載区分はOKに)
特徴 広告活動を行わず、路面店舗を持たないことで経費を抑え、不動産販売の仲介手数料を法定上限金額の半額以下を実現。両手仲介は一切しない。 自社で不動産のポータルサイト的機能を持つサイト運営と同時に、30以上の不動産ポータルサイトに掲載。売却の仲介手数料は49万8000円の固定。 スマホ、ネットで大半のやり取りを完結。人工知能で分析した中古マンション価格も分かる。他社にも物件情報を公開すると宣言している。
「不動産流通システム<REDS>」の公式サイトはこちら
※2018年10月現在。ユニークユーザーは、similar webで、2018年10月に計測

どうやって業務を効率化しているのかに注目すべき

 上記の不動産仲介会社は、要するに手数料の割引に相当する何らかの業務効率化によって手数料を割引できる仕組みがあるのだ。逆を言えば、仲介手数料を割引できる正当な理由を説明できない不動産仲介会社は、実態として手数料を割り引いていなかったり、業務を簡略化して手を抜いていたりする可能性があるので気をつけよう。

 仲介手数料の割引により、少しでも買い替えや住み替えやすくなり、中古物件市場が活性化すれば、より豊かな住まい方を選べるチャンスが増えることになり、期待したいところだ。

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、便利な「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U公式サイトはこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール公式サイトはこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S公式サイトはこちら
◆リビンマッチ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「スマイスター」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
スマイスター公式サイトはこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ公式サイトはこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ公式サイトはこちら
Special topics pr


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