不動産売却の注意点
【第14回】 2018年11月28日公開(2019年1月29日更新)
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梶本幸治

家を売るのに、リフォームすべきではない理由は?
買い主の趣味に合わないリフォームは単なる無駄!

築年数の経った不動産を売却する際、「リフォームしてピカピカにした方が売れやすいかな?」と思われる事もあるでしょう。ネット上で「売却時はリフォームするべきか、現状のまま売るべきか」という記事を見ると、そのほとんどが「現状のまま売却すべきで、リフォームすべきではない」という結論に落ちついているようです。この「リフォームすべきではない」という意見に、私も賛成です。今回はその理由を説明しましょう。

不動産を売るときは、リフォームすべきでない4つの理由

内装のリフォーム工事の様子(出所:photoAC)

 ピカピカの商品とボロボロの商品があれば、ピカピカの商品の方が売れやすい事は当たり前ですよね。では、不動産の場合はいかがでしょうか?

 世の中では、様々な意見がありますが、「現状のまま不動産を売却すべき。リフォームすべきではない」という意見に、私は「基本的」に賛成です。

 なぜ、「基本的」という言葉を付けたかに関しては後程ご説明するとして、先ずは「リフォームすべきではない理由」を挙げて参ります。

・リフォームすべきではない理由1
・リフォームすべきではない理由2
・リフォームすべきではない理由3
・リフォームすべきではない理由4

【リフォームすべきではない理由1】
趣味に合わないリフォームは「汚れ」と同じだから。

 居住用不動産の購入を希望される方はそれぞれ、ご自身の「マイホームの夢」を実現すべく日々物件情報を集めておられます。マイホームの夢の中には立地や外観、お庭の広さ、バルコニーからの景色の他に、壁紙の色やキッチンのデザインなども含まれます。

 では、あなたが所有される不動産が、買い主の「立地や外観、お庭の広さ、バルコニーからの景色」が合致したとしましょう。しかし、「壁紙の色」が趣味と全然違うものだとしたら、買い主はどう感じるでしょうか。

 「うわっ!壁紙は全部貼り替えよう」と思うでしょう。つまり、趣味に合わないリフォームは「汚れ」と同じなのです。しかし売り主の立場からすれば、折角費用をかけて壁紙をリフォームしたのに全く評価されないなんて辛すぎますし、かけた費用は全くの無駄になります。

 したがって、現状のまま売却すべきで、リフォームすべきではないという結論に落ち着くのです。

【リフォームすべきではない理由2】
中途半端なリフォームになりがちだから。

 次のような経験はありませんか?

 室内改装済みと聞いていた旅館に泊まったところ、確かに大部分は新調されていたにもかかわらず、目立たない所や建具が古いままで、あまり綺麗な印象を受けずガッカリしたなんてこと。 

 不動産のリフォームでも同じことが言えます。

 もしも「200万円分のリフォームをすれば、通常よりも300万円高く売れる」なんて事が【確定】していれば、多くの売り主が200万円のリフォームに踏み切るでしょう。

 しかし現実は、「200万円分のリフォームをしても、高く売れる保証はない」のですから、売り主としては大金を投じるリフォームには躊躇してしまいます。

 そこで「200万円は無理だけれど、せめて50万円分くらいのリフォームをしよう」なんて事になっても、結局のところ中途半端なリフォームになりがちです。

 中途半端なリフォームでは、上記の旅館の例のように「あまり綺麗な印象を受けずガッカリ」といった気持ちを買い主に抱かせてしまうかもしれません。

 お金をかけてリフォームしたのに、ガッカリされてしまっては意味ないですよね。このような理由からも、売却時のリフォームはあまりお勧めできないのです。

【リフォームすべきではない理由3】
プロのように原価を抑えたリフォーム工事ができないから。

 ここまで読んで下さった方の中には「売却時にリフォームすべきじゃないって言うけど、ネットやチラシを見ていたら全面改装済みの物件も沢山あるじゃない。リフォームすべきじゃないなら、何故こんなにも沢山の改装済み物件が売りに出ているの?」と思われたかもしれませんね。

 このような全面改装済み物件のほとんどが、「業者売主物件」、つまり不動産のプロが買い取ってリフォームを施し、再販売している物件です。

 不動産のプロが行うリフォームは、一般の方が行う場合よりも原価を安く抑えられます。年間何件も何十件もリフォームを発注するプロと、一件だけのリフォームに終わる一般の売り主では、プロの方が安い原価で工事ができるのは当たり前ですよね。

 原価を抑えたリフォームが可能であれば、物件価格に反映させるリフォーム代も安価で済みます。しかし、高い原価でリフォームを行なわざるを得ない一般の売り主は、物件販売価格も高くせざるを得ません。

 このように、一般の売り主が売却時にリフォームを施すと、物件価格自体が高くなってしまうため、あまりお勧め出来ないのです。

【リフォームすべきではない理由4】
好立地でなければ「価格面」で市場の第一次審査に落ちるから。

 今、不動産市況は活況を呈しており、不動産価格は上昇傾向にある・・・と言われています。

 確かに都心部ではそのような傾向にあり、驚くような高値で成約に至る不動産も少なくありません。ただし、そのようなお話はあくまで都心部に限った事であり、地方都市では「不動産価格の下落が止まったかな?」くらいの状況です。

 そのような地方都市の不動産市場にあっては、不動産購入希望の方々も先ずは「価格」に注目しながら物件を探されています。つまり「価格」という一次審査を通過した物件の中から、購入する物件を選ばれる傾向にあるのです。

 上記理由3でご説明した通り、リフォーム物件は物件価格自体を高く設定する必要に迫られます。物件価格が高くなってしまうと「室内が綺麗」という点を評価して貰う以前に、「価格が高い」という理由だけで、「買い主の一次審査」に落ちてしまうかもしれません。

 これでは、何のためにリフォームしたのか分かりませんので、地方都市では特に「売却時のリフォーム」はお勧めできません。

「供給過多の市場」における売却時は
リフォームすべき

 ここまで、「リフォームすべきではない理由」を挙げて参りましたが、ここからは、あえてリフォームすべき物件について、ご説明致します。

 「リフォームすべきではない理由4」でご紹介しました通り、地方都市では特にリフォームを施すメリットがございません。しかし、ここで言う「地方都市」とは、まだまだ元気な地方都市を指しており、人口減等により元気を失いつつある地方都市では違った考え方が必要になります。

 このように元気がない地方都市では、買いたい方より売りたい方が多く、どうしても供給過多になりがちです。同じ町内で何件も中古住宅が売りに出ているなんて事も珍しくはありません。

 そのような供給過多の市場にあって、数少ない購入希望者に選んで頂く為には、何かアピールポイントを作る事が必要になってきます。

 そこで「せめて、リフォームくらいは施して見栄えを良くしよう」ということになります。つまり、「高く売る為のリフォーム」ではなく、「そのままだと売れないので、苦肉の策としてのリフォーム」を選択せざるを得ないのです。

 上記の様な「元気が無く、中古住宅の供給が多い地方都市で、なんとか購入希望者に選んで頂く為の方策」としてリフォームを行う場合は、例外的に「リフォームをして売る」事をお勧めします。

 ご所有不動産の売却時は安易にリフォームを行うのではなく、不動産会社の提案に耳を傾けつつ、市場の動向を見極めて検討して下さい。

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、便利な「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U公式サイトはこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール公式サイトはこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S公式サイトはこちら
◆リビンマッチ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「リビンマッチ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
リビンマッチ公式サイトはこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ公式サイトはこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ公式サイトはこちら
Special topics pr


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