カプセルホテルのカプセル式簡易ベッドは日本独自のスタイルだ。横になってしまえば、意外に「狭さは気にならない」という声が聞かれたり、火事になりにくい素材を使っていたりと、工夫を凝らしている。

 とはいえ、男女問わず大柄、あるいは体が硬い人にとっては、寝起きやトイレの度に体を丸めて潜り込んだり、這い出たりするのが一苦労という面もあったはず。その不安や手間を解消させたのがこの一段式ベッドというわけだ。

ファーストキャビン右側にビジネスキャビン、左側にファーストキャビンが並ぶ寝室フロア Photo by Megumi Kamon

 もちろん、風呂や洗面、トイレなどは共有で、各個室にカギもかからないという点では、簡易宿所営業たるカプセルホテルなのだが、上または下に人がいないというストレスのない状況は、性別や年齢を問わず好ましい環境といえるだろう。

 さらに女性やビジネスマンの「宿泊にお金をかけたくない」気持ちを汲み取ったこと、鉄道の駅から近い立地条件ということもあり、新たな需要を掘り起こすことに成功している。その成功例が進化系カプセルホテルの1つ、ファーストキャビンというわけだ。

 ファーストキャビンは現在、東京の10軒をはじめ、大阪4軒、京都3軒、愛知、石川、和歌山、福岡、長崎、北海道各1軒の計23軒を展開。最新施設は11月15日にオープンしたファーストキャビンTKP市ケ谷と11月22日にオープンしたファーストキャビン ニセコ・ぽんの湯となっている。

キューブの下にスーツケースを収納できる
ラゲージスペースを設置

マイキューブ個室は横向きに入るスタイル。ベッド下にはスーツケースを置ける鍵付きの物入れも! Photo by Megumi Kamon

 女性専用フロアの導入や公共スペースの充実といった個性的なカプセルホテルが増える中、ベッドを全面的に一段式にしているカプセルホテルは、実はまだ多くない。そんな現状の中、「MyCUBE by MYSTAYS 浅草蔵前」もファーストキャビンと同様、一段式ベッドのスタイルを取り入れている。

 ホテルマイステイズやフレックステイインなどのブランドで全国に89のホテルを展開する、マイステイズ・ホテル・マネジメントが手がけたカプセルホテルは、2016年6月にオープンした。ここでは個室を“キューブ”と呼び、ベッドの幅は約1mだが、高さは約1.5mを確保。ベッドが2ステップ高くなっているのは、各キューブの下にスーツケースを収納できるラゲージスペースがあるからだ(写真)。