ファーストキャビンかつてのカプセルホテルのイメージを覆すファーストキャビンの個室 Photo by Megumi Kamon

かつてカプセルホテルは「終電を逃したサラリーマンが使うもの」というイメージだった。ところが、外国人旅行者の増加、女性需要の高まりなどにより、カプセルホテルは変わりつつある。そこで今回は、快適さへの追求を推し進めている進化系カプセルホテルにスポットを当てた。(トラベルジャーナリスト かもん恵)

個室内で立ち上がれる!
「一段式」進化系カプセルホテルの快適

 カプセルホテルというと、以前なら「終電を逃した会社勤めのおじさんが利用するもの」というイメージだっただろう。ところが、女性でも気軽に泊まれるように工夫を凝らした進化系カプセルホテルの人気が高まっている。

ファーストキャビンビジネスキャビンはほぼベッド幅だが、天井は高い。鍵付きのセーフティーボックスにはパソコンやビジネスバッグを入れることができる Photo by Megumi Kamon

 さらに、外国人旅行者の増加、LCCや格安高速バスなど廉価な移動手段の台頭に伴う宿泊の多様化、女性需要の高まりなどにより、新たな客層を獲得した進化系カプセルホテルの店舗数が着実に増加中だ。

 進化系カプセルホテルの先陣といえば、2009年、大阪に第1号店をオープンさせたファーストキャビンだろう。店名の通り、飛行機のファーストクラスとビジネスクラスをイメージした個室の“キャビン”は、そのスタイルがもはやカプセルではない。

 最も特徴的なのは、カプセルホテルの定番である上下二段式のベッドをやめ、一段式にした点だ。ビジネスキャビン(写真)の幅はほぼベッドの幅と同じ1.2mだが、天井高は2.1m。ファーストキャビンに至っては幅2.1m、高さ2.1mで、スーツケースも持ち込めるほどゆったりとした個室空間となっている。