民泊が、時に“犯罪の温床”と呼ばれていたゆえんがこういったシステムにあり、事実「出入りが怪しまれない」として、2018年6月に民泊部屋をアジトにしていた振り込め詐欺グループが摘発された事件は記憶に新しい。

 無人スタジオも同様で、鍵の在りかさえ知っていれば、AVの撮影のみならず、女性を連れ込んでレイプまがいのことだってできてしまう。覚醒剤をはじめとする薬物の使用や取り引き場所にも使えるだろうし、犯罪者集団がアジトとして使ったりもできる。つまり、無人スタジオも“犯罪の場”になり得る危険性があるわけだ。

 そう考えると、近隣の女性が付け加えた、こんな言葉さえも現実味を増す。

「あの悲鳴のようなあえぎ声は、本当に合意の上で行われているのでしょうか」

危機感を募らせた業界団体も
対策に乗り出す

 もともとハウススタジオ業界では業界団体「日本ハウススタジオ協会」を設立し、現場に立ち会うスタッフ派遣などを義務づけた自主ルールを策定していた。ただ、こうしたトラブルが相次いでいることを受け、協会としても対策に乗り出している。

 一方、AV業界は「出演強要問題」に揺れている。これに対し、行政機関や被害者支援を行っているNPO法人だけでなく、メーカーやプロダクション、制作会社といったAV業界自体からも改善すべきとの声が上がり、「AV人権倫理機構」を設立。「適正AV」という考えを新たに提唱し、「作品制作から販売に至るまで」を適正化していく取り組みが進められている。

 このように“作り手側”に関しては正常化が進み始めたが、“撮影する場”に関する規制はこれからだ。ハウススタジオ業界も歩調を合わせる形で、適正化を図ることができるのか。それができなければ、せっかく生まれた新しいビジネスの芽を摘むことにもなりかねない。