財政危機Photo:PIXTA

 19年10月の消費増税の際に景気の落ち込みを防ぐ目的で、来年度の当初予算からという異例の対策が検討されている。

 予算編成作業は増税対策作りがまるですべてのようになり、肝心の財政再建は脇に置かれてしまっている。「今度、消費税率引き上げに失敗すれば、二度と消費増税はできない」ということからなのだろうか。

 だが、ポイント還元やプレミアム商品券配布で景気を維持しようとしたところで無意味だ。そもそも安倍政権のもとで改定された財政健全化計画自体が、大幅に“かさ上げ”された成長率や物価見通しのもとで作られているからだ。

財政健全化計画の「嘘」
かさ上げされた成長率や物価

 国の借金は2017年度で1087兆円に達する。だが国の財政再建シナリオは実現可能性があるとはいえないものになっている。