11月26日、中国の自動車市場は今年、約30年ぶりに販売台数が前年割れしそうな情勢であることを、業界のデータは示している。特にこれまでけん引してきた中小都市では、減速の影響が色濃くにじむ。写真はGM系「宝駿」ブランドなどの販売店。河南省で15日撮影(2018年 ロイター/Yilei Sun)

[平頂山(中国) 26日 ロイター] - 中国河南省の平頂山市に住むエンジニアのカオ・ジュンさん(40)は、古くなった自家用車の整備を受けるたびに、隣の販売店にある新車に目を向けてしまう。しかし家のローンや妻の医療費などを背負うカオさんにとって、車を買い替えたくても現実には難しい。追い打ちをかけるのがかつて石炭産業で栄えた地域経済の衰退だ。

 これは何も特殊なケースではなく、中国の自動車市場は今年、約30年ぶりに販売台数が前年割れしそうな情勢であることが、業界データで分かっている。米国との貿易摩擦でさらに強まった中国経済減速の兆候の1つと言えるが、特にこれまで自動車をはじめとする耐久財消費をけん引してきた平頂山市のような中小都市では、減速の影響が色濃くにじむ。

 中国当局は製造業に長らく依存してきた経済構造を多様化する手段として、中小都市の消費活性化に期待をかけてきた。ところが既に、映画チケット販売からネットショッピング、スマートフォン購入に至るまで、消費の落ち込みが確認できる。

 その理由の一部は、カオさんのような中小都市の消費者の懐がひっ迫していることにある。

 カオさんの場合、主な勤め先である石炭・化学の複合企業、平煤神馬集団が生産能力を削減し、自身の収入が今年になって急減。仕方なく配車サービスの運転手として糊口をしのいでいる。毎月の収入は約6000元(864.40ドル)で、そこから住宅ローンに最低1000元、妻の医療費に400元、ほかにも娘2人の教育費の負担が大きい。こうした事情から「もっと良い車を運転したいがそれは許されない」という。