三井住友銀行の高橋精一郎元副頭取が、独立系の資産運用会社を立ち上げた12月6日、三井住友銀行の高橋精一郎元副頭取が、独立系の資産運用会社を立ち上げた。高橋氏は、三井住友銀でほぼ一貫して市場部門を歩み、邦銀トップの市場収益を稼ぎ出した立役者だ。東京市場に新たな旋風を巻き起こせるか注目を集めそうだ。写真は都内で2015年8月撮影(2018年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 6日 ロイター] - 三井住友銀行の高橋精一郎元副頭取が、独立系の資産運用会社を立ち上げた。高橋氏は、三井住友銀でほぼ一貫して市場部門を歩み、邦銀トップの市場収益を稼ぎ出した立役者だ。東京市場に新たな旋風を巻き起こせるか注目を集めそうだ。

 高橋氏がCEO(最高経営責任者)兼CIO(最高投資責任者)を務める資産運用会社「ホークスブリッジ・キャピタル」(東京)は、10月26日付で金融商品取引法に基づく投資運用業の登録を済ませた。関係者によると、すでにファンドを立ち上げ、10日から運用を開始する。

 運用資産残高は明らかにしていないが、関係者によると、1―2年以内に1000億円規模に増やしたい考えだ。国内外の機関投資家から資金を集める。

 高橋氏は1979年に旧住友銀行に入行、市場部門をけん引してきた。邦銀が不良債権問題で苦しんだ2000年代前半には、為替やデリバティブのトレーディングを担う市場運用部長として、底なしの不良債権処理のために利益が食いつぶされていく銀行の収益を下支えした。

 市場部門をコントロールする市場営業統括部長だった08年に、リーマン危機が直撃したが、市場の変調を事前に察知し、サブプライムABS(資産担保証券)などの売却を指揮。邦銀では最も少ないダメージに抑え込んだ。

「中長期のトレンドを見極め、臨機応変にポートフォーリオを組み替える手腕が卓越している」(市場関係者)とされ、アベノミクス以降、いち早く債券から日本株の運用にかじを切った。その存在感の大きさから、市場関係者の間では「アジアの虎」との異名も持つ。

 昨年3月に副頭取を退任し、上級顧問に就任。金融庁参与にも就いたが、運用会社設立を前にすべての役職を退いた。

 高橋氏が新たに率いる運用チームはトレーダー5人、アナリスト1人。メガバンクの大部隊とは比べものにならない陣容だ。債券や為替、株式、コモディティなどの伝統的資産で運用する「グローバル・マクロ」の手法を採る。「銀行時代に養った手法を継承する」(関係者)という。

 上級顧問に就任してからは「東京にはバイサイド(運用会社)が少ない。東京で運用の文化を広げ、新しい人材を育てたい」と語っていた。

 大銀行の看板を捨て、市場の荒波に再び漕ぎ出す高橋氏の挑戦は、どのような成果を生み出すだろうか。

(布施太郎 編集:田巻一彦)

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