武田薬品工業の臨時株主総会。「買収完了で完全に外資系製薬会社となる」と買収反対派の株主はぼやいた武田薬品工業の臨時株主総会。「買収完了で完全に外資系製薬会社となる」と買収反対派の株主はぼやいた Photo by Masataka Tsuchimoto

「絶対に反対だ。武田薬品の破滅をもたらす」

 5日大阪市で開かれた国内製薬トップ、武田薬品工業の臨時株主総会。巨額買収に最後まで反対した「武田薬品の将来を考える会」(持ち株比率約1%)メンバーで、創業家筋の原雄次郎氏が力説するも、株主からの拍手はまばらだった。6月の定時株主総会では原氏の会社糾弾発言に、万雷の拍手が起きたのとは大きな違い。買収に必要な新株発行議案の行方は既に決した雰囲気が漂った。

 武田薬品は5日、3分の2以上の賛成が必要だった新株発行議案の決議で約90%の賛成を集めてハードルをクリアした。買収される側であるアイルランドのバイオ医薬大手、シャイアーでも同日、臨時株主総会が開かれ、買収自体に100%近い支持を得てハードルをクリアした。

 これで武田薬品はシャイアーを約6.8兆円で買収してのメガファーマ(巨大製薬会社)入りが確定した。買収資金のうち、約4兆円分を新株発行で、残りは借り入れや社債発行でまかなわれる。買収は2019年1月8日に完了する。