仕事に集中できる時間仕事の成果は「いつ」やるかに大きく左右されそうです Photo:PIXTA

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

原稿は夜より「午前中」に書くに限る

 私は原稿を早朝から午前中に書くことが多い。特に、ゼロから書き始めるのは朝しかできないと言っても過言ではない。

 まあ、締め切りが迫っている時には、夜中に書かざるを得ない時もある。しかし、たいていは、何を書こうかと頭を悩ますが、なかなかまとまらない。ただいたずらに時間ばかりが過ぎていく。

 執筆用にしているパソコンのエディターソフトの新規画面を開くが、いつまでも真っ白なまま。気がついたらネットサーフィンをしている。そんなことはしょっちゅうだ。

 そんな時は「やっぱりダメだな」と、早々に見切りをつけることにしている。そして、早朝にアラームをセットして、さっさと寝てしまうに限る。

『When 完璧なタイミングを科学する』『When 完璧なタイミングを科学する』 ダニエル・ピンク著 勝間和代訳 講談社 2200円(税別)

 そんなわけで、今朝も午前5時に起きて、この原稿を書いている。昨夜は、案の定書き出しをどうしようか、まったくアイデアが浮かばず、気持ちばかりが焦っていた。

 ところが一夜明けた今はどうだ。締め切りは近づいているものの、不思議と焦りはない。とても集中できる。ここまで、取るに足らない文章かもしれないが、とにかく、すいすいと筆が進む。

 私の場合、少なくとも執筆作業に関しては「いつ」やるかが、きわめて重要なポイントになっているようなのだ。

 こうした最適な「いつ」についての有用な知見が得られるのが、本書『When 完璧なタイミングを科学する』だ。さまざまなケースにおける「いつやるか」を科学的根拠を示しながら論じている。

 著者のダニエル・ピンク氏は、米国イェール大学ロースクールで法学博士号を取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターなどを務める。著書『モチベーション3.0』(講談社)でも知られる。