──入浴といえば、社員のプライベートな部分。なぜ、オフィスで入浴剤を提供しようと思われたのでしょうか。

バスクリン販売管理部リーダーの高橋正和さん高橋正和(たかはし・まさかず)バスクリン販売管理部 リーダー/学生時代に起業。ベンチャー企業を経てバスクリンに入社。2015年に「バスクリン銭湯部」を立ち上げ、17年にリクルートキャリア「グッド・アクション」を受賞。働き方が多様化する現代において、入浴からサポートできることの可能性を感じ、18年に「オフィスきき湯」の提供をスタート。

高橋 理由は2つあります。1つは、最近では社員の健康増進も企業の務めであるという考え方が広まってきており、もはや健康は本人だけでなく、会社がマネジメントしていく時代へと変化しつつあるためです。「健康優良企業」かどうかなども、企業を判断する上で大事な指針になっています。

 実は私自身、20代前半にオーバーワークで体を壊してしまい、自分だけではコントロールできないものがあると思い知った経験があります。当時在籍していたベンチャー企業では、少数で重要なプロジェクトを担っており、“熱量”が高い仲間たちとともに自分のやりたいことに取り組んでいました。

 しかしある時、体が動かなくなってしまいました。幸い2週間ほどで職場復帰できたのですが、上司と相談し、抱えていた仕事を部分的に他の人に任せることになったんです。

──意欲があるにもかかわらず、本来のパフォーマンスが発揮できなくなってしまったんですね。

高橋 いくら世の中をよりよくしようというエネルギーがある人でも、健康という原動力がしっかりしていなければ生産性は低下してしまいます。体調を崩した経験から、健康については個人だけでコントロールできない部分もあり、当時の上司にサポートしてもらったことを思うと、会社としてできることがあるのかもしれないと考えるようになりました。

 昨今、大手企業も副業を解禁し始め、本業以外に仕事を持つ人や、個人の能力を生かして社会貢献する人も増えています。ここからここまでが仕事と、割り切れない働き方が増えてきたんです。昔のように、オンオフを切り替えにくいからこそ、より個人で健康面をコントロールする難しさがあると思っています。