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仮想通貨市場に復活はあるのか? - 金融テーマ解説

12月14日 17時30分
マネックス証券
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・仮想通貨市場の下げが引き続き厳しい。米でのETF承認延期や、世界的なリスクオフムードに引きずられており、VIX指数の上昇とともに足元でも極めて軟調に推移。
・最近のマネロン問題も微妙な影を落とす。GS、ドイツ銀行等が相次いで不祥事の捜査を受ける中、一部の国では、仮想通貨に対するマネロン規制も強化している。
・ビットコインの年初来下落率は80%に達した。これはちょうど13年にマウントゴックスのシステム問題が大きく報じられてから15年の最安値までの下落幅に相当。但しその後、約1年程度で価格が反転している点は興味深い。
・今回再び上昇に転じるには時間がかかるだろう。投資家を再び惹きつける要素としては、例えば、米仮想通貨ETFの上場承認、G20サミットでの世界統一規制の方向性明示、不正対策の進展、実用化の進捗、再び金融政策が緩和に向かう、等が考えられよう。

仮想通貨市場は下落が続く

ビットコインは年初来80%下落した。きっかけは、11月のBCH(ビットコインキャッシュ)のハードフォークを巡る混乱だった。その後、米国で審査が延期されていた仮想通貨ETFの承認が再び延期となり、一段安となっている(図表1)。

 

12月に入ってからは、XRP(リップル)が一部の取引所で取り扱われる予定という報道や、ETH Constantinopleのハードフォーク決定等の好材料もあった。しかし、市場は、これらの報道にも反応しにくくなっている。

こうした弱気の仮想通貨市場動向は、VIX指数の上昇とも呼応している(図表2)。株式市場のボラティリティが上昇したことで、金融市場全体にリスクオフムードが広がり、投機的な資金が仮想通貨から撤退しつつあるという見方もできる。

 

マネロン規制の強化も

最近、マネーロンダリング(資金洗浄)に対する見方も一層厳しくなっている。先月から、米ゴールドマンサックスや、ドイツ銀行等世界の大手金融機関が相次いでマネロン問題で捜査を受けている。カナダでCFOが拘束されたHuaweiの件でも、マネロンが関連しているという報道もみられる。

こうした流れを受け、仮想通貨についても、マネロン関連の規制が厳格化される可能性がある。既に、カナダやエストニアなど、仮想通貨に比較的柔軟だった国で、マネロン関連の規制強化の方向性が示されている。欧州では、6月には、「第5次マネロン対策令」が発表され、仮想通貨についても、マネロン規制が明確化された。

更に、先週、マネロンの監督を行っている国際機関であるFATF(金融活動作業部会)も、来年6月までに仮想通貨のマネロンに関するルールを策定すると発表した。

仮想通貨は、匿名性や手続きの簡便さが強みであるだけに、こうした手続き規制の強化は当然向かい風である。
 

現時点の下落幅は、ちょうどマウントゴックス事件後の最安値

本日時点で、ビットコインの年初来下落率は80%に達した。1年弱で価格が5分の1まで下落した形だ。下落を続けるチャートを見ていると、なかなか今後戻りそうな気がしない。

しかし、今年の年初からこれまでの12か月のビットコインのチャートを、2013年にシステムの不具合とその後の資金流出が報じられたマウントゴックスの事件以降の価格推移を重ねてみると、現在のビットコインの価格は、マウントゴックス事件後の最安値に相当することがわかる。このレベルで下落が留まるなら、5年前のショックと同様、再起も考えられるかもしれない。

 

仮想通貨市場復活のための条件

もっとも、マウントゴックス事件以降、仮想通貨の価格が反転するまで1年程度はかかっている。今回も、これだけの下落で大きな打撃を受け、市場を離れた投資家も多いとみられることから、再浮上には時間がかかるだろう。

とはいえ、マウントゴックス事件後の回復局面では、いくつもの資金流出事件を消化しつつ上昇していった(図表4)。現在は、数年前よりは取引システムやセキュリティ技術は格段に進歩しているし、実用化に向けた取り組みも始まっている。今後も、いくつかの条件がそろえば、市場復調のシナリオも十分考えうるだろう。

 

投資家を再び惹きつける要素として、例えば、来年に延期された米仮想通貨ETFの上場承認が考えられる。機関投資家等、一般の投資家が投資しやすくなるためだ。また、来年6月に大阪で開催されるG20サミットで世界の統一的な規制の方向性が示されれば、これも契機になるかもしれない。現在の市場は、規制がどちらに向かうのかといった不透明感が大きいことから疑心暗鬼になっている。多少規制が強化されようと、市場の枠組みが確立することが市場としては望ましいだろう。

更に、各取引所等のシステムが発達し、マネロン等の不正対策が進化すれば大幅にプラスとなるだろう。同時に、リップル等の送金が実用フェーズに入れば、ようやく仮想通貨に本格的な利用価値が生まれるだろう。

最後に、世界のマネーが縮小する局面では、やはり仮想通貨市場の復調は容易ではないだろう。再び金融政策が緩和に向かえば、大きな転換点になりうる。それにはまだ時間はかかりそうだが、辛抱強く転換点を待ちたい。
 

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