この対立、11月21日の会合でデータ提供についてその期限を明示するとともに最大限努力を続けることを約して一応の決着を見ているが、対応の結果次第では、両者の対立に止まらず、安倍政権が最も頼りにする基幹統計の一つである国民経済計算の信頼性に大きく影響することになりかねない。

 このことは裏を返せば、この手の加工統計はそれだけ結果の見方には要注意だということである。

統計法の範疇外は
なおさら注意が必要

 さらに、基幹統計と指定されている加工統計以外は、統計法の範疇外であるものが多く、なおさら注意が必要なのである。

 また、統計の見方という点では、統計で使用されている用語にも気をつけなければいけない。

 例えば、安倍政権が大好きな労働力統計。先にも触れたとおり基幹統計の一つであり、完全失業率や正規・非正規の就業者数といった重要経済指標がこの調査により明らかにされてきている。この調査の結果を何も考えず額面どおりとらえれば、就業者数は増えているし、完全失業率も低い水準で推移しているから、アベノミクスの効果が出ているではないか、ということになりそだが、そうは問屋が卸さない。

 そもそも、ここで言う「就業者」とは何を意味するのか?なんとなく働いている人というイメージではなく、明確な定義が存在する。