店は女同士のマウンティングの場
どんなキッカケで女は夢から覚めるのか

 とはいえ、ホス狂いが必ずしもホストの愛を本気で欲しているかというと、そうでもないようだ。

「夜職の女の子にとって、自分が稼げる額=自分の女性としてのスペックなんです。ホストクラブで高額を使えるということは、それだけかわいさやセクシーさ、若さなどを示す指標になり、自分がいい女であることの証明になります。そうなると、自分のスペックで稼いだお金をホストに貢ぐことは、女同士のマウンティングとしての側面が強くなる」

 夜職女性にとって、ホストに貢げば貢ぐほどそれは自身のステータスとなる。ホストクラブは、女としての価値を誇示するための壮絶なマウンティングの場になっているわけだ。

「自分がどれだけ稼げて、どれだけお金を使える女なのかを証明する場所が欲しい、という願望もまた、キャバ嬢や風俗嬢のなかには、普遍的に存在すると思います」

「必要とされたい」「女として認められたい」――そんなホス狂いの承認欲求は、ホストクラブという夢の世界で中途半端に満たされる。だからこそ、なかなか抜け出せないのではないか、と鈴木氏は分析する。

彼女たちがホス狂いを卒業するのは、明確なキッカケがないことがほとんどだという。

「親が死のうが、他の男に告白されようが、ホストに彼女がいたことが発覚しようが、絶対に通うのをやめなかったのに、突然、『なんかもういいや』と通わなくなる例が多い。逆に言えば、外的な要因でホス狂いをやめることはほとんどないので、周囲がホス狂い女性を助けるのは不可能に近いといえます」

 満たされない承認欲求をお金で埋める場所、ホストクラブ。『なんかもういいや』と自分で夢から覚めるまで、彼女たちのホス狂いは続くのだ。