男子では、張本智和(15歳)、女子では、伊藤美誠(18歳)、平野美宇(18歳)など、これまで圧倒的な強さを誇っていた中国人選手を破り、世界大会で優勝する若手有望株の選手が増えている。2020年の東京五輪では、日本初の金メダルが期待できるが、この強さの秘密はどこにあるのか。著書『日本卓球は中国に打ち勝つ』(祥伝社新書)があり、現在、日本卓球協会強化本部長である宮崎義仁氏に詳しい話を聞いた。(清談社 福田晃広)

最強の中国を圧倒する
成長著しい日本人選手たち

ワールドツアー・グランドファイナルで史上最年少優勝を遂げた張本智和選手12月16日、ワールドツアー・グランドファイナルで史上最年少優勝を遂げた張本智和選手。成長著しい15歳の若手である 写真:森田直樹/アフロスポーツ

 日本選手が世界の卓球界を席巻している。2017年4月には、卓球王国・中国で開催されたアジア選手権女子シングルスで、当時17歳の平野美宇選手が優勝。この21年間、ほぼ中国人選手が優勝を独占するなか、しかも完全アウェーの状況で中国のトップ選手3人を打ち破った平野選手に世界が驚愕した。

 平野選手の勢いに続くかのように、男子シングルスでも、驚異的な成長を遂げている14歳(大会当時)の張本智和選手が、今年6月の荻村杯(ジャパンオープン)において、準々決勝と決勝で中国人の世界チャンピオンを破って優勝。同大会の女子シングルスでは、伊藤美誠選手も優勝している。

伊藤選手はさらに今年11月に行われた卓球のワールドツアー、スウェーデン・オープン女子シングルス決勝でも、世界ランキング1位の中国人選手を圧倒して優勝を果たしている。

 これらの日本人選手たちの成長ぶりについて、宮崎氏は以下のように語る。

「平野、張本、伊藤は全員年齢が若く、3ヵ月単位でグングン成長しています。当然、中国に研究されてはいますが、それ以上に成長率が高い。一方、中国人選手は、ベテランなので、これ以上能力が伸びる可能性は低い。そのことを考えると、日本の若手選手が中国人選手を倒すケースは、これからも増えてくるでしょう」(宮崎氏、以下同)