2年たち、果たしてどれくらいの勢いでVRが広がってきているのかわからないが、少なくともVR元年からブームが下火になっていることはなさそうである。AさんのようにVRの魅力に衝撃を受けて布教活動をする人も増えてくるであろう。「VRはじわじわ浸透してきているのではないか」というのが個人的な印象である。

 しかしAさんの核と呼んでも差し支えなかったあの不倫願望を雲散霧消させてしまうとは、VRの秘めたる力はそこまですごいものなのであろうか?

 VRのすごさについてAさん本人の口から大いに語ってもらいたいと思う。

人生を変えたVRゴーグル
当初はゲーム目的で入手

 そもそもVRの歴史は浅くないようであるが、一般に浸透するであろう気配が濃厚になったのがVR元年の2016年であるらしい。PSVRに代表されるように、それまで高価であったVRゴーグル(VRグラスやVRヘッドセットなどとも呼ばれる)が一般ユーザーにも求めやすい価格となって市場に参入してきたのは大きかった。

 昔から各時代でVHS、DVD、インターネットなどの目新しいガジェットの普及をけん引してきたのはエロのパワーであった。エロを求める男性の勢いは強大で、「新しくてよくわからないものが出てきたがとりあえずエロそうだから」と飛びついてみるのである。

 今回VRに関する記事を書くにあたって筆者も知識を少し深めておこうとネットサーフィンしてみたところ、「アダルトな動画のためにVRゴーグルを購入する人も多いのではないでしょうか」といったフレーズを伴ったVRゴーグル紹介記事が散見された。蛇足だが、「○○な人も多いのではないでしょうか」はネット記事の慣用句であり、筆者も無記名の記事を書く際によく利用する、頭を使わないで使用できてとりあえずそう言っておけば収まりがいい便利なフレーズである。

 さて、「アダルトな動画のためにVRゴーグルを──」とは、“いかにも”なことを言われてしゃらくさい気もするが、まさしく「いかにもその通り」であり、的を射ているからぐうの音も出ない。世の中はそのように運営されてきて、おそらく今回も例に漏れずエロがVRをけん引するのである。

 しかし、Aさんはといえば入口がエロ目的ではなかった。彼は常々ゲームを愛好しているので、では話題のVRゲームを1回体験しておこうかとPSVRの購入に至ったのであった。