あわせて買ったソフトが海で泳ぐものと車でドライブするものの2つで、Aさんは早速ヘッドセットを装着してゲームの世界へと赴いた。「これはすごい」とAさんは思った。想像以上にリアルであり、ヘッドセットの中にもうひとつの現実が存在しているかのようであった。

 ドライブが好きなAさんは主にそちらの方のゲームをいじって遊んでいたが、段々気分が悪くなってきた。俗にいうVR酔いである。VR体験に慣れることで耐性がついていくことも珍しくないようなので、Aさんは悲観せず目を閉じてベッドに横になっていた。気分がよくなったら再開するつもりであった。

「なかなか面白い」とAさんはひとりごちた。「これからのVRゲームがますます楽しみだ」とも思い、胸が高鳴った。VR酔いが克服できたら他の欲しいソフトも買っていこうと考えた。

 その時Aさんの頭をあるひとつの思いがかすめたのである。「そういえばVRのエロ系はどんな感じなんだろう?」と。ただの好奇心でのぞいてみた世界がのちにAさんを虜(とりこ)にするであろうとは、彼はこの時知る由もなかった。

偶然たどりついた桃源郷
女子高生に囲まれるVR体験

 男性諸氏にはおなじみとなっている総合アダルトサイト「FANZA」(旧DMM.R18)にログインしたAさんは、VR動画の無料お試し作品を見てみることにした。その仮想現実世界の中で学校の教室の一席に座ったAさんは、周りをぐるりと囲んだ女子高生姿の女性たちに下着を見せつけられるという壮絶な体験を果たす。

「これはすごすぎる…!」とAさんは思った。その衝撃は先ほどVRゲームを初プレイした時の比ではなかった。この時の感想はAさん本人の言葉で語ってもらおう。

「本当に『そこにいる』感が半端なくて…。手を伸ばせば触れるんじゃないかと本気で思った。みんなめちゃくちゃかわいいし、すごい目が合って。『俺のこと好きなの?俺も好きだよ!』という気分になり、高揚感で頭が真っ白になった」(Aさん)

 検討するいとまもなく、Aさんの指は自動操縦で巧みにマウスを操って月額3980円の動画見放題プランへと入会していた。それから、奥さんがしばらく出かけているのをいいことに1人で何度もアダルトVRを楽しんだ。とにかく大変盛り上がったらしい。何しろ“負傷した”ほどだったからだ。

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