経営×経理

【課題2】
必要のない仕事に
忙殺される人手不足感

 前述した中堅サービス業に勤務するAさんのケースのように、「やることが多すぎる……」と捉えている仕事の中身を、ここで今一度、しっかりと考えていきましょう。

 ただ、避けてほしいのは、マネジャーが中心となって「これは必要ないから、削減して良い!」と指揮を執ること。この方法では、部員らがお仕着せモードに包まれるだけなのです。まずは、実務にあたっている部員に対し、担当している仕事が具体的にどのような場面で貢献できているのか、問い直すことが肝要です。

 マネジャーはその回答を徹底精査して、修正点があれば担当者本人にそのブレを指摘して方向性を示すなど、丁寧にあたっていくことで、必要のない仕事に忙殺されている、あるいは重要な仕事が手薄になっているなどの無駄・ムラを炙り出せるはずです。

 そしてさらに重要な点は、“無駄・ムラ”が生じているのであれば、マネジャーである自分自身に対して自問自答することです。これまで部員らに対して、適切に経営指針や他部署の活動など、適切な情報共有をしてきたでしょうか。情報不足により、自身らが当たっている業務が陳腐化していることすら気づかないケースも、十分にあり得るのです。

 適切に経営情報などを共有し、部員らに無駄・ムラがなく付加価値の高い仕事に当たってもらうことを習慣化すれば、突発的な事態にもスムーズに対応できる経理部隊が構築されるでしょう。

【課題3】
潜在能力の発揮しづらさ
が生む人手不足感

 「何ら問題なく業務が進められている……」と認識していても、実はさらに良い方法が他にあることは、多々あるものです。筆者も何度かこの連載で触れてきましたが、同じ企業の経理部内で長年働いていると他の情報に疎くなって井の中の蛙”となり、自分たちのこれまでのやり方に対して、何ら疑問を持たなくなるものです。

Special Columns


大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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