辺野古移設で“分裂”する沖縄
県民投票控え、県と一部の市で綱引き

 首相のサンゴ移植発言を巡って、議論が“過熱”する背景には、沖縄では依然として移設賛成派と反対派で分裂しているうえ、2月24日に予定されている移設の賛否を問う県民投票を巡って、県と一部の市が対立していることがあるようだ。

 移設反対で政府と対立した翁長前知事の後継者である玉城デニー知事は、県民投票を実施して、辺野古移設反対が「県民の意思」だということを改めて示したい思惑があるのだろう。

 これに対し、宜野湾市や宮古市などは、県民投票の執行をできないと表明している。7日には、両市に続いて沖縄市も県民投票への不参加を表明した。

 これで、約30万人、沖縄県の有権者の2割が県民投票に不参加になった。これからも不参加の市町村は出てくると思われ、県民投票そのものが空中分解するかもしれない状況だ。

 一般的には、県が実施することについて市町村は従うものと思われがちだが、日本の地方自治制度では、県と市町村は基本的に対等な関係であるべきだ。

 県が決めたら市町村は執行しなければいけないかといえば、そうでない。沖縄県が県民投票の根拠としているのは県民条例だが、地方自治法第252条の17の2によれば、県民投票をする際には、事前に県が市町村に協議することが必要とされている。

 だがどう見ても、県と市町村との事前協議が整ったようにはみえない。

 辺野古移転については、最高裁ですでに容認の判決が出ている。したがって、今さら県民投票をしても意味がないと思うのだが、それでも反対を主張する人たちが今の県政を担っているので、県と市町村との間であつれきが起きていると、筆者は考えている。

サンゴは移植されたのか
「ウソ」とは断定できない

 こうした状況の中での首相発言だったから、反響も大きかったのだろう。

 玉城デニー知事は、「現実にはそうなっておりません」と、さっそくツイッターで反論した。