さらにこの決済データをリアルタイムでコカBJH側に送信し、売り上げと在庫を綿密に管理。必要な本数のみを効率的にコーク・ミニに補充することで売り切れの心配がなくなる。実際に導入した企業からは「飲料購入のためにオフィスを出る必要がなくなり、生産性改善につながる」と評価する声も上がっている。

収益改善のために
大型ペットボトルの店頭価格値上げか

 こうした取り組みは従来の収益基盤を強化する上で欠かせないが、市場の変化は早い。コーヒー飲料は缶からペットボトルへの容器シフトが加速しているが、コカBJHはその対応にも遅れている。

 足元では物流費高騰により収益低下が深刻化する。18年12月、コカBJHが19年4月にも大型ペットボトル商品の希望小売価格を、6~10%引き上げる見通しと報じられたが、背景には大型ペットボトル商品のケース単価が安く、低収益に陥っている現状がある。

 野村證券の藤原悟史アナリストは「清涼飲料業界は競争が激しく、デフレが続いている。業界トップのコカBJHが仮に値上げに動けば、デフレに歯止めがかかる可能性がある。業界全体として見ればポジティブな動きだ」と指摘する。野村證券によれば、6~10%(平均8%)の値上げが実施された場合、コカBJHの17年の営業利益に対して18%程度の押し上げ効果が期待される(図3)。

 ただし、この効果を享受するには、下位メーカーが追従することが前提となる。値上げがコカBJHのみであれば、販売数量の減少は避けられない。

 鍵を握るのは、コカBJHを猛追するシェア2位のサントリー食品インターナショナル(図4)だ。同社内では「トップシェア獲得へのモチベーションが高まっている」(業界関係者)。

「サントリーが値上げに追随する確率は50%」(藤原氏)。同社が収益圧迫を覚悟でシェア拡大を目指せば、コカBJHはさらに窮地に追い込まれる。19年秋には消費増税も控えており、前回の増税時同様、価格転嫁をめぐる駆け引きがぎりぎりまで続きそうだ。