株式レポート
5月24日 17時0分
バックナンバー 著者・コラム紹介
マネックス証券

市場との対話の失敗〜困惑するマーケット〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

・ギリシャリスクを巡る思惑で、世界の金融市場は不安定な状況が続いている。昨日(5月23日)の欧米市場では、「欧州当局者による、ギリシャのユーロ離脱時の対応策を用意する必要がある」という報道をきっかけに、米国株は一時大きく下落した。その後は買い戻されて2日連続で横ばいとなったが、市場の不安心理はなお強い(グラフ参照)。


・昨日から行われたEU首脳会合においても、ギリシャのユーロ離脱への対応について、欧州首脳の方針はこれまでと変らないことが示された。この会合で、ギリシャのユーロ離脱を防ぐ方向で政治が動くとの思惑も一部であったが、現時点では示されなかった。欧州諸国とギリシャの心理戦が続くうちは、ギリシャリスクを材料に一喜一憂する展開が続くかもしれない。

・市場がリスクに対して非常に神経質な中で、昨日(5月23日)の日銀の政策決定会合では、政策判断は据え置かれた。この発表と同じ時間帯に、為替市場では円高が進み、日経平均株価も下落した(グラフ参照)。これについて日経新聞は、「日銀と市場、すれ違い」と伝えている。市場が期待した金融緩和に、日銀が応えられなかったということである。


・そうした解釈が妥当かどうか、様々な議論がありうるだろう。ただ実際には、強まると期待された金融緩和姿勢が、逆に後退する疑念が浮上した可能性がある。これまでの経緯を整理すると、2月14日の金融緩和実施と物価目標設定で、金融緩和が強化され、これが3月初旬までの円安と株高を後押しした。「強力に金融緩和を推進」との日銀の姿勢が示され、脱デフレ時期が早まるという市場の期待が高まった。

・ところが、昨日の金融政策の声明文では、「強力に金融緩和を推進」という文言の代わりに「適切な政策運営に努めていく」という言葉が登場した。「強力に金融緩和を推進」という文言がなくなれば、2月以降の「金融緩和強化」の姿勢が後退したとの思惑につながる。米FOMCの声明文の変化に市場は反応するが、同様に注目されるようになった日銀の声明文に対して、市場は金融緩和姿勢の後退を感じたかもしれない。それが、円高と株安をもたらした可能性がある。

・昨日の記者会見で白川総裁は、「強力に緩和推進する姿勢は全く変わっていない」と述べ、この思惑を否定した。文言変更の理由は、「毎回この文章を書くのもどうかなということで、今回は『適切な』という言葉で表現した」(ブルームバーグ)とのことである。この説明が何を意味するかはさておき、デフレから抜け出せない中で、プラス物価目標実現のために金融緩和強化が必要なことは明らかだろう。日銀は、本音では金融緩和を強化したくないのではないか、と市場が戸惑ってもおかしくない。

・伝統的な金融政策が限界に達する中で、資産市場の価格形成を通じて、中央銀行は金融緩和の効果を強めることができる。特に、欧州問題を背景に市場のリスク許容度が低下している状況で、「中銀と市場の対話」がより重要な局面である。声明文という公式見解を通じて、市場との対話に失敗し金融緩和に対する期待を惑わすことは、(そうした意図に関わらず)金融緩和効果そのものを抑制するリスクがある。



(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)

 ◆1月~12月までのお得な株主優待の内容はココでチェック!

※株主優待を新設・変更した銘柄の最新情報は
 株主優待【新設・変更・廃止】最新ニュース[2018年]でチェック!

マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!
株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!
Special topics pr

ZAiオンライン Pick Up
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2019年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2019年の最強クレジットカード(全7部門)を公開! ダイナースクラブカード」の全15券種の  付帯特典を調査して“実力”を検証 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは? 高いスペック&ステータスを徹底解説!アメリカン・エキスプレスおすすめ比較
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 じぶん銀行住宅ローンの金利が業界トップクラスの低金利!じぶん銀行住宅ローン 投資初心者必見!桐谷さんおすすめの証券会社はココダ! http://diamond.jp/articles/-/120666?utm_source=z&utm_medium=rb&utm_campaign=id120666&utm_content=recCredit ANAアメックスならANAマイルが無期限で貯められて還元率アップ! じっくり貯めて長距離航空券との交換を目指せ!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

2019年最強日本株
億り人の投資法
確定申告大特集

3月号1月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!お得な定期購読の詳細はコチラ!

 

【2019年 最強日本株6大番付 】

最強日本株」の選び方!
日経平均高安値の予測
高配当株 JT vs 三井住友FG
株主優待株 ヤマダ電機 vs フォーシーズHD
割安株 三井物産 vs 三菱ケミカルHD
10万円株 ソースネクスト vs ヤマシンフィルタ
大型株 NEC vs リクルート
中小型株 ワークマン vs MTG

億り人が語る2019年の勝ち戦略
2018年アノ相場勝てたワケ
2019年
勝ち戦略
億り人の投資法を大公開!

確定申告大特集
・給与などの所得や控除
ふるさと納税で寄附した人
投資信託得&損した人
投信分配金
配当を得た人
FX先物取引得&損した
医療費市販薬代がかかった人

●あと100万円をつくる節約&副業ワザ
●大型株&中小型株の最強日本株投信番付10

【別冊付録1】
・2019年に
NISAで勝つ8つのワザ

定期購読を申し込むと500円の図書カードをプレゼント!春のキャンペーン開催中!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! 新築マンションランキング