トランプ大統領写真:ユニフォトプレス

 昨年の中間選挙で野党民主党が議会下院の多数を奪還したことで、これまでトランプ大統領のやりたい放題だったワシントンの政治が大きく変わった。

 1月3日に始まった新議会で、下院議長に選出された民主党重鎮のナンシー・ペロシ議員は「新たな夜明け」を宣言し、こう続けた。

「アメリカの人々は“新たな夜明け”を求めました。国民は私たちの憲法にのっとった行動を求めています。私たちの民主主義を守ってほしいという声があがったのです」

 つまり有権者は、法の支配や憲法を危険にさらしているトランプ大統領の言動に歯止めをかけ、米国の民主主義を守ってほしいと願い、民主党に投票したというのである。下院議長は米国の政治で大統領、副大統領に次ぐ3番目に重要な地位であり、大きな権力を持つだけに、ペロシ氏の演説には注目が集まった。

 上院を共和党が、下院を民主党が握る「ねじれ議会」が始まるなかで、ペロシ議長は格差の問題や気候変動などに取り組む姿勢を示すと同時に、「下院は透明性が高く、党派を越え、国を結束させることを約束します」とメッセージを送った。