人民元紙幣とドル紙幣1月16日、中国の不動産開発会社によるドル建ての起債が、今週に入って活発化している。2017年撮影(2019年 ロイター/Thomas White)

[香港 16日 ロイター] - 中国の不動産開発会社によるドル建ての起債が、今週に入って活発化している。年内に1000億ドル近くの規模で既発債の償還を迫られる中で、市場環境が改善してきた今の機会を積極的に利用しようという狙いだ。

 このセクターは2018年終盤、厳しい立場に置かれた。一部の発行体は2年債で2桁の表面利率を提示することを余儀なくされ、18年初めと比べて調達コストが急激に跳ね上がっていた。

 しかし足元では既発債の利回りが低下し、投資家の間で中国の投機的格付け債に値ごろ感が生まれるなど、状況は持ち直してきている。

 ウェスタン・アセット・マネジメント・カンパニーの調査アナリスト、Peng Jie氏は「金利コストは、2桁を支払っていた昨年末と比較すると、かなり大きく下がってきた」と述べた。

 そして実際、いくつかの不動産開発会社が今週発行市場に登場し、これまでの調達額は約15億ドルに上っている。

 例えば緑地控股は16日、表面利率8.25%で21ヵ月物債を販売。正栄地産は既発債のリオープン(追加発行)で1億5000万ドルを調達し、利回りは10.625%だった。また中国奥園集団は、表面利率8.5%の3年債5億ドルを発行した。いずれもロイターがタームシートで確認した。

 リフィニティブのデータによると、中国の不動産セクターは今年、オンショアとオフショアの借り入れを合計すると、約980億ドルの償還を迫られる。来年は801億ドルの見通し。

 いずれも昨年の659億ドルから増加する。2017年に至っては償還額は248億ドルにとどまっていた。

 今後償還を迎える債券の多くは、金利が低くて国際金融資本市場にドルがあふれていた16年と17年に発行されている。

 当時の起債環境の良さを象徴として、路頸地産が16年に発行した5年債の表面利率が、1ヵ月前に販売した3年債より低くなっていたケースが挙げられる。

 その後、米金利上昇に起因するボラティリティの高まりや米中貿易摩擦で昨年後半に国際金融資本市場が動揺すると、投資家のリスク回避姿勢が強まり、中国の不動産開発会社が起債するのは非常に難しくなった。

 ところが投資家が市場に戻り始めている。ある債券資本市場バンカーは「昨年かなり打ちのめされた市場の一部は底を打ったと感じている投資家が多い」と話した。

(Julia Fioretti記者)

Copyright©2019 Thomson Reuters 無断転載を禁じます