また、新駅にはAI(人工知能)を搭載した接客対応ロボットなど最先端の設備を導入することで、産業の垣根を越えたシームレスな企業連携も促進するという。

Suica覇権に
異業種が続々参入

 二つ目は「キャッシュレス」だ。Suicaの利用者は7000万人を突破。移動と決済情報を掛け合わせたこのビッグデータはJR東日本の財産である。同社はプラットホーマーの強みを生かし、他社を引き入れ覇権を広げている。18年はみずほ銀行の口座から直接チャージできるようになった他、仮想通貨との交換も検討するなど、利便性はますます向上しそうだ。

 加えて面白い取り組みも始まっている。赤羽駅ホームにはAIを使った無人決済店舗が登場した。店内の棚から商品を取って出口に向かうとディスプレーに合計金額が表示され、Suicaをかざせば決済完了。レジを通らず素早く買い物ができると評判は上々だ。

 そして三つ目が「ドライバーレス」である。19年5月、次世代新幹線車両「ALFA-X」による自動運転の試験走行が始まる。在来線ではすでに検討が進む自動運転技術だが、新幹線に取り入れられる日は近いかもしれない。

 JR東日本がこうした積極的な設備投資や研究開発を行えるのも、高い収益力と安定した財務基盤があるからだ。既存の鉄道網をベースに不動産や流通事業、Suica事業など多角化を推し進めてきた結果、非運輸(鉄道以外)の割合が全体の3割まで拡大している。

 これに続けと関東の私鉄各社もホテル事業などを積極的に拡大。三つのレスに取り組む企業も増えている。19年は名実共にJR東日本が業界をリードし、私鉄とも連携を深める年になりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)