厚生労働省が毎月勤労統計の不正調査を受け再集計した修正値を公表1月23日、厚生労働省は23日、毎月勤労統計の不正調査を受け、再集計した修正値を公表した。写真は都内で2015年10月撮影(2019年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 23日 ロイター] - 厚生労働省は23日、毎月勤労統計の不正調査を受け、再集計した修正値を公表した。その中で、2018年の実質賃金は前年同月の伸び率が9月を除き、10ヵ月間で下方修正された。個人消費のエンジンといえる実質賃金の実態が「下方修正」されたことで、2019年以降の消費に関し、より厳しい見方がマーケットで浮上する可能性があり、今年10月の消費税率引き上げを前に、政府・日銀は「逆風」と立ち向かうことになりそうだ。

 厚労省の発表データ(以下の表を参照)によると、再集計後のデータで実質賃金がプラスだったのは、3月の0.5%、5月の0.6%、6月の2.0%、7月の0.3%、11月の0.8%。

 特に5月と6月、11月は、従来の公表値では1.3%、2.5%と高い伸びを示し、賃金動向が上方にシフトする前兆ではないかとの見方も一部であったが、5月は0.7%、6月は0.5ポイント引き下げられた。

 この下方修正について、同省賃金福祉統計室の担当者は「再集計より、前年のデータが上方修正され、前年同月比のデータが下方に乖離(かいり)することになった」と説明している。

 修正された月のギャップは、0.2─0.7ポイント。11月にプラス圏に浮上したものの、統計に詳しい市場関係者によると、ボーナス支給日の若干のずれで11月にカウントされたケースがあると予想され、12月以降にプラス基調が維持される可能性は小さいとの声が出ている。

 みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、今回の実質賃金の下方修正について「個人消費を支える足場ができていなかった」と指摘。

 合わせて今年10月の消費増税や、経団連が22日に打ち出した今年の春闘方針で明確な賃上げ目標が数値化されなかったことなどを挙げ、今後のマクロ政策運営で「政府・日銀には逆風が強く吹いている」と分析している。

(田巻一彦)

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