キャリアコンサルティングの「6つの機能」を発動するための方策企業におけるキャリアコンサルティング普及や推進には、様々な課題がある。キャリアコンサルティングの6つの機能について解説し、企業内に根付かせるためのポイントを教えよう。(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2017年12月から2018年2月にかけて連載した「企業内キャリアコンサルティング」入門は、キャリアコンサルティングの推進に関わる方や、現場で試行錯誤を重ねる方から、多くの反響がありました。そうした反響は、キャリアコンサルティングの普及・推進にあたって、様々な課題があることをうかがわせます。そこで、本稿ではあらためて4回の連載のまとめとして、キャリアコンサルティングの6つの機能について解説し、それらを企業内に根付かせるためのポイントを示したいと思います。

働く人を支える
キャリアコンサルティング

 2016年4月に施行された改正職業能力開発促進法には、「労働者は職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上に努めるものとする」とあります(第三条の三)。

 一方、事業主は従業員が求めたらそのために、「業務の遂行に必要な技能などの事項に関し、キャリアコンサルティングの機会の確保その他の援助を行うこと」と規定されています。

 つまり、働く人はみな「自分のキャリア」を意識して開発していくことが期待され、それに対して企業はキャリアコンサルティングの機能を用意して働く人を支えることが求められ始めたことになります。

 これを1つの契機として、多くの企業がキャリアコンサルティングを取り入れることに前向きになっています。

 しかし、すでにキャリアコンサルティングをスタートさせている企業や、個々のキャリアコンサルタントが、現場での運用について悪戦苦闘を重ねるケースが多いことも事実です。

 では、どうすればスムーズな導入と運用が可能になるのでしょうか。以下では、そのことを考えていきます。