フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグの名前を知らない人は、ほとんどいないだろう。世界を変革した起業家として大きな注目を浴びる一方、個人情報の不正利用が指摘されるなど、同社のビジネスのやり方に対する批判の声は根強い。ザッカーバーグは、経営上の責任を取って退任すべきなのか。それとも、真に偉大な指導者へと変貌を遂げることができるのだろうか。


 マーク・ザッカーバーグは、フェイスブックのCEOおよび(あるいは)会長の座を退くべきだろうか。批評家だけでなく、株主までもがそう促している。次に示す、2つの極端な見解のいずれかを指示したくなるかもしれない。「彼の所業はひどすぎるので、退任する潮時である」か、「起業家が、成功に不可欠な一意専心ぶりを見せているだけだ。口出しすべきでない」のどちらかである。

 だが、状況はもう少し複雑である、と私は言いたい。私から見ると、問題の核心は、「ザッカーバーグはCEOとして思考をシフトし、真に新しい時代を始められるのか、それとも、彼がフェイスブックを去って初めて新しい時代が始まるのか」である。