CIBリサーチの推計では、中国の銀行はAT1資本の不足を補うため、年内に永久債か優先株の発行を通じて4700億元(692億4000万ドル)を調達する必要がある。

 永久債の返済順位は通常の債券より低く、株式をわずかに上回るだけなので、投資家は高い利回りを得る必要がある。

 UCONインベストメンツのグー・ウェイヨン首席投資責任者は「理論的には、永久債の保有はリスクが非常に高く、リターンは限られている。もっと良い投資の選択肢はある」と語る。

 中国銀行は永久債の発行計画についてコメントを控えた。利回りについても手掛かりを示していない。

 CIBの推計では、永久債の利回りは、同一銀行のTier2資本に属する債券を150ベーシスポイント(bp)上回る可能性がある。中堅の銀行だと7%前後となる計算だ。

 銀行筋と機関投資家幹部らによると、中国銀行は既に需要とプライシングを見極めるため、潜在的な投資家に接触している。このうち1人によると、1月末までに起債する計画で、利回りは4.5─5.2%の範囲となりそうだ。

 この関係筋は「われわれが買いたいと思うほど利回りは高くない」と述べた。

 多くの機関投資家幹部は、中国銀行の永久債の投資家層は限られるとの見方を示した。ただ、政府が国有ファンドや保険会社にまとまった買いを要請することは簡単だという。

 一部のファンドや資産運用会社は、永久債には魅力を感じないと述べた。また中国の保険会社は、永久債のように簡単に評価を切り下げられる条件のついた資本性証券の購入を禁じられており、当局がこの規制を緩めるかどうかは定かでない。

 永久債は世界中で発行されているが、中国の銀行業界では、2008年の世界金融危機後の与信ブームを経て不良債権が積み上がっており、投資家は通常より警戒しそうだ。

 公式統計によると、中国の銀行の不良債権比率は1.89%で世界金融危機以来で最も高い。しかし多くの銀行は不良債権の認定が遅かったり、隠したりするため、実際の比率ははるかに高いとの指摘もある。

(Shu Zhang記者 Samuel Shen記者)

Copyright©2019 Thomson Reuters 無断転載を禁じます