同ホテルプロジェクトの監督部門であるアリババ・フューチャー・ホテル・マネジメントのアンディ・ワン最高経営責任者(CEO)は、「ロボットは人間的な気分に左右されないため、サービスの効率と一貫性が得られる。人間ならば『やる気が出ない』ということはあるが、このシステムとロボットは、常にやる気に満ちている」と語る。

 ホテルに入ると、鈍く光る白いパネルに覆われた壁が、ハリウッド映画に出てくる宇宙船の内装を連想させる。チェックインするには、専用の端末で顔を認識させるか、パスポートやその他の身分証明をスキャンするかすればいい。中国の国民登録証があるなら、事前にスマートフォンで自分の顔を撮影しておけば顔認識によるチェックインが可能になる。

中国アリババの近未来ホテル浙江省の同ホテルで22日撮影(2019年 ロイター/Xihao Jiang)

 エレベーターでも顔認識機能が働き、どのフロアに通していい宿泊客かを判定する。客室のドアの鍵も、やはり宿泊客の顔をスキャンすることで解除される。

 宿泊したトレイシー・リーさんは、「とても迅速で安心だ。まだ慣れているわけではないが、1分もあれば自分の部屋に入れる」と語る。リーさんはさらに、彼女が優先するのは安全性であり、自分の顔が認識されなければ部屋に入ることができないのがうれしいと言う。

 室内では、アリババの音声コマンド技術を利用して、室温の変更やカーテンの開閉、照明の調整やルームサービスの注文ができるようになっている。

中国アリババの近未来ホテル浙江省の同ホテルで22日撮影(2019年 ロイター/Xihao Jiang)

 ホテル内のレストランでは、客が「フライズー」のアプリを使って注文した料理が、背の高いカプセル型のロボットによって届けられる。独立して設けられたバーでは、大きなロボットアームによって20種類以上ものカクテルがシェイクされている。顔認識カメラによって、代金は宿泊料金に自動的に追加される。

 チェックアウトするには、アプリのボタンを押すだけだ。すると部屋はロックされ、アリババのオンラインウォレットを通じて自動的に料金が請求される。この手続きが済めば、宿泊客の顔認識データはただちにアリババのシステムから消去される、とワン氏は言う。