2019年はこの10年間で最悪の年だが
今後10年間では一番いい年になるかも

 上海に戻った私は、実家近くのホテルで仕事関連の打ち合わせをいくつか済ませた。長年の付き合いで親しくなったホテルのマネージャーからも愚痴を聞いた。

「最近、5人の若い従業員の行方が分からなくなった。調べてみると、会社の上司や同僚に、何一つ言わないまま、実家に戻ってしまったのだ。彼らは、仕事に対する責任や義理、信用など全く考えていない」

 そしてこう続けた。

「まだ残って仕事をしている若者に、どうして残る選択をしたのかと聞いたら、ネットで購入した商品がまだ届いていないからという答えが返ってきた。もう笑うほかなかったが、人手が足りないと悩んでいる身としては泣きたいくらいだ」

 そこで、中国経済に対するある評論を思い出した。

「中国経済にとっては、2019年はこれまでの10年間の中で最悪の年になる。しかし、これからの10年間を見通してみれば、2019年はおそらく一番いい年になると思う」

 春節を迎えれば、中国社会にとっては恐ろしい年の幕が開けるというわけだ。複雑な心境で2019年を迎えようとしている。

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)